JR西日本は10月16日、JR東海が東海道・山陽新幹線で運用しているN700Sを、自社でも導入すると発表した。また、2019年10月の台風19号で被災し廃車された北陸新幹線用W7系2編成も補充する。
N700Sは、JR東海が7月から営業運行を開始したN700Aに次ぐ次世代新幹線車両。2018年3月から確認試験車による走行試験が開始されていた。
JR西日本が2021年2月以降に2編成導入する予定のN700Sは、自動列車制御装置(ATC=Automatic Train Control)とブレーキシステムを改良することで、地震時の制動距離をN700A比で5%短縮。大容量のデータ通信により走行中の車両状態監視機能を強化する。
また、非常時に対応してバッテリー自走システムや、乗務員のほか指令所ともつながる乗客との通話装置が設置される。
このほか、乗り心地向上を図るため、グリーン車と先頭車、パンタグラフを搭載した中間車にフルアクティブ制振制御装置を搭載。車内の全座席にはモバイル用コンセントが設置される。
一方、2021年度下期に補充される予定の北陸新幹線用W7系は、現行のW7系をベースに、台車の異常を検知する台車モニタリング装置を搭載するとともに、車両床下やドア部へ着雪低減対策が施される。JR西日本のW7系。2019年10月に長野県を襲った台風19号の影響で、留置中のW7系12両編成2本が被災・廃車となったため、その分を2021年度下期に補充予定。