スマホがクルマの鍵になる「バーチャルキー」、福井県のスマートエネルギープロジェクトで利用開始

バーチャルキーの仕組み
バーチャルキーの仕組み全 4 枚

福井県が取り組む嶺南スマートエネルギープロジェクトにおけるEVカーシェアにて、イードとジゴワッツが共同開発した「バーチャルキー」の利用が10月22日より始まった。

福井県では、嶺南地域を中心に、再生可能エネルギーを含む様々なエネルギーを活用した地域経済の活性化やまちづくりを目指す「嶺南Eコースト計画」を策定し、人・企業・技術・資金(投資)が集まるエリアの形成を進めている。このプロジェクトとして、便利で災害に強く、環境にもやさしい「スマートエネルギーエリア」を創出することを目指し、嶺南地域の全市町や電力事業者などと連携して、EVや蓄電池等をネットワーク化し、遠隔で充放電を制御するVPP(仮想発電所)の実証実験を進めている。

実証実験に使用するEVについては、VPPの電源に活用するだけでなく、地域の足として住民や観光客などにも貸し出しを行うこととしており、このカーシェアリングサービスをスマートバリューが業務受託し、「バーチャルキー」を利用したカーシェアリングサービス「Patto」が嶺南地域の6か所で10月22日より始まった。

バーチャルキーは、クルマのスマートキーの機能をスマートフォンに置き換えるスマートロックシステム。ジゴワッツの認証基盤技術「JigoAuth」を利用した認証サーバとスマートフォンアプリおよび専用車載器により構成。自動車の鍵の解錠・施錠だけでなく、プッシュスタートボタンの有効化・無効化操作も行うことができる。バーチャルキーでは、既存アプリに鍵の操作機能を直接組み込むAPIや、一時的なスペアキーを発行できるアプリ開発不要のAPIを用意。既存サービスを低コストにオンライン化でき、非対面での鍵の受け渡しを容易に実現する。

バーチャルキーはこれまでも、スマートバリュー「KurumaBase」との連携で、「Patto」サービスとしてスズキディーラーの試乗車などをカーシェア化。今回の福井県「嶺南スマートエネルギーエリアプロジェクト」もPattoサービスの他地域展開として行う。

バーチャルキーはこのほか、NTT東日本の社用車を休日にカーシェア化するNTTル・パルク「ノッテッテ」、マンション住民に向けたEVカーシェアを提供する九州電力「weev」といったカーシェアリングサービスや、中古車販売におけるローンの可能性を広げるIDOM「ガリバースマートローン」、奈良先端科学技術大学院大学におけるブロックチェーンを活用したカーシェアリング実験システム「持続可能モビリティ社会システム運用実験」などに提供している。両社は今回の「嶺南スマートエネルギーエリアプロジェクト」で地方自治体との取り組みに参加。今後も地域の車両やエネルギーの有効活用に寄与していく。

《纐纈敏也@DAYS》

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