Go Toで人気の運転免許合宿がエンスト、観光庁11月から一転アウト判定[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

プロ野球などで導入されている“ビデオ判定”でもないだろう。政府の観光支援策「Go Toトラベル」で、観光庁が、当初は「セーフ」として補助の対象にしていた自動車運転免許の合宿ツアーを11月1日以降の申し込み分から「アウト」として対象除外にすることを決めたという。

この週末の読売など各紙が報じていたが、「免許講習が料金の大部分を占めるものがあることや、免許取得を明確な目的とする商品は旅行需要の喚起という政策目的に合致しない」と判断したそうだ。ただ、講習費用と旅行代金を明確に分けて販売する商品については、旅行代金のみは「セーフ」として支援の対象とするという。

観光庁は当初、合宿免許は観光地で行われることが多く、滞在中の消費も見込めるため「問題とは考えていない」としていたが、運転免許の取得をめざす学生らが殺到し,「税金のムダ遣い」などとの意見もあって、大慌てで急きょ、方針転換したとみられる。

そもそもGo Toトラベル自体が、付け焼き刃の政策であり、ここでの「観光」の定義もあいまいだ。たとえば、出張や帰省を主な目的としても、旅行代理店に申し込む際に「観光」と申告して、地方のホテルや旅館に滞在した場合、補助の対象と認められるのかどうかもはっきりわからない。しかも、旅先で買い物や飲食に使える地域共通クーポン券にしても、スーパーマーケットなどでも取り扱う店もあり、観光支援とは関係のない日用品雑貨などを購入することも可能である。

今回の運転免許合宿については、若者の車離れに歯止めをかけるきっかけにもなると思っていた。屁理屈を並べるつもりもないが、免許を取得すれば、ドライブ旅行にも出かけられるので、免許合宿と観光事業とが無関係とは言い難い。観光庁もおそらく「総合的、俯瞰的」に判断されたことと思われるが、「疑わしきは罰せず」との言葉もあるように、そこまで目くじらを立てて線引きすることもないだろう。

2020年10月26日付

● ANA、3500人削減へ、22年度までに外部企業に出向も(朝日・1面)

●JAL850億円赤字、7~9月期見通し(朝日・3面)

●臨時国会きょう召集、学術会議問題など論戦(毎日・1面)

●なるほドリ、マイナンバーカード、免許証と一体化するの?(毎日・3面)

●自転車であおり再逮捕へ、埼玉県警、妨害運転容疑で初(毎日・23面)

●ハミルトンが単独最多92勝、F1ポルトガルGP(産経・16面)

●運転免許合宿Go To除外、観光庁、趣旨に合わず(産経・23面)

●内閣支持率11ポイント減63%、世論調査(日経・1面)

●李健熙サムスン会長死去、78歳、中興の祖、半導体を育成(日経・14面)

●ETC高速道、地方に好機、専用化、都市部で5年後目標(日経・31面)

●信号の色スマホで伝達、警察庁。視覚障碍者の横断支援(日経・38面)

《福田俊之》

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