日高本線鵡川~様似間の廃止が本決まりに…鈴木道知事「地域交通の確立に引き続き取り組む」 廃止日は2021年4月1日

2015年1月、高波で被災した当時の日高本線厚賀~大狩部間。
2015年1月、高波で被災した当時の日高本線厚賀~大狩部間。全 3 枚

鈴木直道北海道知事は10月26日、日高本線鵡川~様似間の沿線自治体が10月23日にJR北海道と同区間の廃止についての合意文書に調印し、最終合意に至ったことを受けコメントを発表した。

鵡川~様似間は2015年1月、暴風雪により太平洋に面する日高・新冠(にいかっぷ)町内の厚賀(あつが)~大狩部(おおかりべ)間で土砂流出など甚大な被害を受けて以来、一時的に静内~様似間が再開したことはあったものの、今日に至るまで全線での運行見合せが続いていた。

これを受けてJR北海道は、2016年12月に鵡川~様似間の復旧断念を、2018年6月に2020年度目途の廃止を表明。その間、沿線自治体である日高・平取(びらとり)・新冠・新ひだか・浦河・様似・えりもの7町は日高線沿線自治体協議会を設立し、沿線における今後の公共交通のあり方についての議論が進められた。

その中で、鉄道と道路の両方を走行できるDual Mode Vehicle(DMV)やバス高速輸送システム(BRT)といった、鉄道用地を活用する代替交通機関の導入が検討されたが、初期費用や運用面の問題などでいずれも断念。鵡川~日高門別間のみの存続も提案されたものの、2019年11月にはバス転換へ向けた協議入りが決定した。

最終合意は2020年9月中となる予定だったが、日高線沿線自治体協議会は鉄道用地の護岸復旧やバス転換になおも調整が必要として一旦は見送り。しかし、ほどなくして10月6日に合意され、今回の合意文書調印に至った。

廃止日は2021年4月1日とされており、鈴木知事は「自然災害による運休が6年近くの長期にわたる中、地域の将来を見据えた最適な交通体系について真摯な議論を重ねてこられた、そのご労苦に心から敬意を表します」と述べた上で、引続き、地域交通の体系確立に全力をあげるとともに、関係者との調整を進めつつ、護岸復旧に取り組んでいく考えを示している。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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