長崎で第二の人生を送っていた路面電車の譲渡先が決定…元小田原市内線と元仙台市電の2両

小田原へ里帰りすることになった元小田原市内線の150形151号。大正生まれの貴重な路面電車だ。
小田原へ里帰りすることになった元小田原市内線の150形151号。大正生まれの貴重な路面電車だ。全 2 枚

長崎県長崎市の長崎電気軌道(長崎電軌)は10月28日、引退した元箱根登山鉄道小田原市内線と元仙台市電の車両2両について、譲渡先が決定したと発表した。

元小田原市内線の車両は、1925年9月に現在の東京都電荒川線の前身である王子電気軌道400形402号として登場したもので、東京都電100形102号を経て、戦後の1952年に小田原市内線へ転じ200形202号となった。

しかし同線は1956年5月に廃止されたため、同形の4両とともに長崎電軌へ譲渡され150形となり1970年代まで運用。最後まで残っていた車両が、今回譲渡されることになった151号だった。

2019年に入って、151号の小田原への里帰りを企図した「小田原ゆかりの路面電車保存会」の手により、インターネット募金(クラウドファンディング)による資金集めが始まり、9月までに目標金額を300万円以上上回る総額844万5000円が集まった。

設置箇所については、小田原が生んだ偉人・二宮尊徳を祀る報徳二宮神社が運営するまちづくり会社が、2021年2月に小田原市内線が通っていた国道1号線に面した箇所に設ける新施設に決まっている。

一方、元仙台市電の車両は1952年7月に80形96号として登場したもので、1954年に100形に改称され117号となったが、1976年3月の仙台市電廃止を受けて、同形の4両とともに長崎電軌へ譲渡され、1050形1051号となっていた。

仙台市電の車両としては最後まで動態保存車として運用されていたが、2019年3月に引退。今回、2021年春にリニューアルされる西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)で保存されることになった。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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