MINI、クロスオーバー車とEVを拡大…将来の新型車計画を発表

ブランド初の量産電動モデルがMINIクロスオーバー

ブランド初の量産EV「クーパーSE」

新型クロスオーバーEVを2車種追加してEVを合計3車種に

クロスオーバーとプレミアムコンパクトセグメントに新型車も投入

MINI カントリーマン(MINI クロスオーバー)改良新型のPHV
MINI カントリーマン(MINI クロスオーバー)改良新型のPHV全 31 枚

MINIは10月28日、将来のモデルラインナップを再編し、さらに電動化を加速させると発表した。将来のモデルラインナップ再編の中心は、電動車の拡大、クロスオーバーとプレミアムコンパクトセグメントでのラインナップの強化だ。

BMWグループは新世代MINIを2000年9月末、フランスで開催されたパリモーターショー2000で初公開した。MINIの生産は2001年、英国オックスフォード工場で開始された。2006年にはモデルチェンジを受け、2世代目が登場した。2013年には、現行の3世代目にモデルチェンジを受けている。

現在、MINIのラインナップは、3ドアと5ドアのハッチバックに加えて、『コンバーチブル』、『クラブマン』、『カントリーマン』(日本名:『クロスオーバー』に相当)、高性能モデルの「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」と幅広い。2001年以来、およそ20年間に約400万台がオックスフォード工場で生産され、世界100か国以上に輸出されている。

ブランド初の量産電動モデルがMINIクロスオーバー

MINI カントリーマン(MINI クロスオーバー)改良新型のPHVMINI カントリーマン(MINI クロスオーバー)改良新型のPHV

MINI初の量産電動モデルが、MINIカントリーマン(日本名:MINIクロスオーバーに相当)のプラグインハイブリッド車(PHV)、「クーパーSE ALL4」だ。PHV専用の4輪駆動システムは、前輪に動力を伝達する3気筒ガソリンエンジンと、後輪に動力を供給するモーターとの相互作用を、正確に制御するのが特長だ。また、BMWグループのPHVに搭載される最新の「eDrive」技術も導入されている。

PHVパワートレインのエンジンは、1.5リットル直列3気筒ガソリンターボで、最大出力136hpを引き出し、6速ステップトロニックトランスミッションを介して、前輪を駆動する。モーターは最大出力88hpで、シングルスピードトランスミッションによって、後輪を駆動する。「ALL4」の名前の通り、システム全体で4輪を駆動する4WDとなる。また、システム全体では、220hpのパワーを獲得している。0~100km/h加速は6.8 秒、最高速は196km/hだ。

MINI カントリーマン(MINI クロスオーバー)改良新型のPHVMINI カントリーマン(MINI クロスオーバー)改良新型のPHV

最新世代の高電圧リチウムイオンバッテリーは、蓄電容量が10kWhだ。EVモードでは、最大61kmをゼロエミッション走行できる。このリチウムイオンバッテリーは、室内スペースを節約するために、リアシートユニットの下に配置された。EVモードで最大61kmゼロエミッション走行できる効果もあって、欧州複合モード燃費58.8km/リットル、CO2排出量40g/kmの優れた環境性能を実現している。2019年は、MINIの全販売に占める電動車の割合は5%だった。

ブランド初の量産EV「クーパーSE」

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現行MINIの3ドアハッチバックには、ブランド初の量産EVとして、「クーパーSE」を2020年春に欧州で発売した。電気モーターはフロントのボンネット内に搭載され、パワーエレクトロニクスやトランスミッションと一体のコンパクト設計とした。最大出力は184hp、最大トルクは27.5kgmを引き出す。0~60km/h加速は3.9秒、0~100km/h加速は7.3秒の性能を発揮する。最高速はリミッターにより、150km/hに制限される。

高電圧バッテリーは、12個のモジュールを持つリチウムイオンだ。蓄電容量は32.6kWhで、車両の床下にT字型にレイアウトされる。1回の充電での航続は、最大で270kmを確保した。充電は、出力11kWのチャージャーを使って3時間半だ。出力50kWの急速充電ステーションなら、35分でバッテリーの80%の容量を充電できる。MINIクーパーSEの発売後、MINIの全販売に占める電動車の割合は、10%に倍増している。

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新型クロスオーバーEVを2車種追加してEVを合計3車種に

将来のMINIには、世界中の顧客がゼロエミッション走行を行えるように、フルEVを拡大する。同時に、MINIは引き続き、高効率のガソリンエンジンとディーゼルエンジンを用意していく。MINIは、電動化と内燃エンジンを両立させるパワートレイン戦略を「Power of Choice」と呼ぶ。

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MINIは現在、フルEVとして、MINIハッチバックベースのクーパーSEをラインナップする。MINIの将来のEVには、このハッチバックベースのクーパーSEに加えて、スモールカーセグメントとコンパクトカーセグメントにそれぞれ、新型クロスオーバーEVを投入し、EVのラインナップを3車種に拡大する。この新型EV 2車種に関しては、Power of Choice戦略に沿う形で、内燃エンジン車も設定される予定だ。

クロスオーバーとプレミアムコンパクトセグメントに新型車も投入

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また、クロスオーバー市場の世界的な成長を受けて、MINIは顧客のニーズに合わせた新型車を投入し、クロスオーバー車のラインナップを拡大する。

成功を収めたMINIカントリーマンには、その下に位置するスモールカーセグメント向けのクロスオーバー車を開発する。このモデルは、フルEVのみとなる。さらに、次期MINIカントリーマンには、燃焼エンジンと電動パワートレインの両方を用意し、世界中の顧客のニーズに応えていく。

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MINIは、プレミアムコンパクトセグメントの追加モデルによって、多くの顧客の需要を満たす計画だ。コンセプト、車両クラス、パワートレインに関係なく、ブランドのすべての新型車は、競合モデルの中で最小のボディサイズでありながら、最大の室内スペース、エキサイティングな走行体験と個性を備えたMINIであり続ける、としている。

《森脇稔》

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