ジャガー E-PACE 改良新型、初のPHV設定…2021年欧州発売へ

PHVシステムのエンジンは1.5 リットル3気筒ガソリン

EVモードは最大55km

バッテリー容量の80%を30分で充電可能

ジャガー E-PACE 改良新型のPHV「P300e PHEV」
ジャガー E-PACE 改良新型のPHV「P300e PHEV」全 13 枚

ジャガーカーズは10月28日、改良新型『E-PACE』(Jaguar E-PACE)に初のプラグインハイブリッド車(PHV)を設定し、2021年に欧州市場で発売すると発表した。

PHVシステムのエンジンは1.5 リットル3気筒ガソリン

ジャガー・ランドローバーは2020年以降、全車種へ電動パワートレインを設定する予定で、EVをはじめ、PHV、ハイブリッド車(マイルドハイブリッドを含む)を投入していく計画だ。改良新型E-PACEのPHVは、この計画に沿って登場したモデルとなる。

改良新型E-PACEのPHVパワートレイン搭載車は、「P300e PHEV」グレードを名乗る。PHVシステムのエンジンは、1.5リットル直列3気筒ガソリン「インジニウム」ユニットが、最大出力200ps、最大トルク28.5kgmを発生し、前輪を駆動する。

この3気筒エンジンは、4気筒エンジンよりも33kg軽い。低摩擦で強力な性能と洗練さを実現し、優れた効率と燃費に貢献する。エキゾーストマニホールドはアルミ製シリンダーヘッドに組み込まれているため、ウォームアップ時間が短縮された。排気ポートからターボチャージャーのタービンホイールまでの距離も最小限に抑えられ、レスポンスを引き上げている。

EVモードは最大55km

最大出力109ps、最大トルク26.5kgmの電気モーターは、「エレクトリック・リア・アクスル・ドライブ(ERAD)」と呼ばれるリアアクスルに組み込まれ、後輪を駆動する。PHVシステム全体では309psのパワーを獲得し、0~100km/h加速6.5秒の性能を発揮する。

後席の下には、蓄電容量15kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。バッテリーは84個のセルで構成されており、各12個の50Ahモジュール7個に分けられている。EVモードでは、最大55kmをゼロエミッション走行することが可能だ。ジャガーカーズによると、英国の1日当たりの平均走行距離の30.2kmを、無充電で走行できるという。

このEVモードの効果もあって、燃費50km/リットル、CO2排出量44g/km(WLTP計測)の優れた環境性能を可能にした。また、「ベルト・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(BISG)」を搭載する。一定の速度を下回るとエンジンを停止させて、減速中のエネルギーを蓄電し、そのエネルギーを動力として活用する。

バッテリー容量の80%を30分で充電可能

トランスミッションは8速AT。3気筒エンジンの出力とトルクに合わせて、エレクトリック・リア・アクスル・ドライブ(ERAD)とスムーズに連携するように設計された。

P300e PHEVグレードでは、「モード3」充電ケーブルが使用可能だ。出力7kW のAC家庭用充電ボックスや、AC公共充電ステーションに接続できる。これにより、1時間24分でバッテリーの80%の容量を充電できる。さらに、出力32kWのDC急速充電では、バッテリー容量の80%を、およそ30分で充電することが可能だ。

最新の「JaguarDrive」コントロールは、「コンフォート」、「エコ」、「レイン・アイス・スノー」、「ダイナミック」の4種類のモードを備えており、ドライバーは路面や走行状況に応じて、最適なモードを選択する。操作は新デザインのロータリーダイヤルで行い、ステアリング、トランスミッション、スロットル、アダプティブダイナミクスの設定が調整できる。

改良新型E-PACEは、「EVA 2.0」と呼ばれるジャガーの高度なエレクトロニックビークルアーキテクチャをベースにしている。これにより、さまざまな新技術をサポートしながら、車両を常時接続させ、車両を常に最新の状態に保つ、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る