【メルセデスベンツ GLB 新型試乗】地味にメルセデスの人間愛が垣間見られる…岩貞るみこ

メルセデスベンツ GLB
メルセデスベンツ GLB全 12 枚

ファミリー層をターゲットにしている『Bクラス』は、SUVの『GLB』に仕立てられても、やはり「いざってときは三世代家族が乗れる」3列シート7人乗りである。

ミニバンで鍛えられた国産車の3列シートの使い勝手のよさに慣れるとチェックする視線は厳しくなりがちだけれど、このGLBは必要にして十分である。

というか、3列めに乗り込んだあとに2列目シートの位置をもどしたとき、3列目の人のふくらはぎ部分を圧迫しない配慮とか、後ろのドアを開けて、背もたれを前に倒して荷室にしていた3列シートをもどすときに腰を痛めにくいような絶妙な距離感と操作性にしているなど、地味にメルセデスの人間愛が垣間見られる。

メルセデスベンツ GLBメルセデスベンツ GLB
家族向けのコンパクトサイズかと想像していたけれど実際は、背が高い。『GLA』が1620mmなのに対し、GLBは1700mm(グレードによって異なる)と、日本人男性の平均身長くらいある。よく使う車庫のMAX車高が1730mmの身としては、1700mmと聞くと、車両ごとに多少の誤差があるんじゃないか、載せている荷物が軽くて車高が上がっているんじゃないかと、天井(正しくは黒いルーフレール)を擦るんじゃないかと冷や冷やする。機械式車庫は、ほぼ壊滅的に突っぱねられるサイズだ。

ただ、1700mmもある車高なのに、運転席はもちろん、後席の座面の高さがすごく適切に抑えられていて乗り降りがとてもしやすい。ファミリーユースで考えると、特に三世代で乗る場合、足が上がりにくい祖父母には満足度が高いといえる。

メルセデスベンツ GLBメルセデスベンツ GLB
試乗車は2リットルガソリンターボ搭載の4MATIC(四駆)。GLAに搭載されたディーゼルターボに比べると、とろけるような奥深さはないけれど、その分、反応のいいシャープな加速が魅力的。ホイールベースの長さが、高速走行での安定感もあり、特に後席の揺れは乗員を簡単に眠りに誘うのに十分なやさしい柔らかさだ。まさに後席に誰かを載せることを大前提に考えられている。

もちろんGLBにも4MATICじゃないものの、とろけるディーゼルエンジンの設定はあり。私なら価格控えめのFF。加えて、とろけるディーゼルターボエンジンを選ぶかな。

メルセデスベンツ GLBメルセデスベンツ GLB

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ワゴンは“古くて新しい”…今、面白い車とは?
  2. ゴミ回収箱に人が入ることは予見不能
  3. 「戻せばOK」は通用しない! 現代チューニングの合法ルールとは~カスタムHOW TO~
  4. ホンダ『モンキー』イベントに過去最高の550台超が集結!「自腹」でも続ける「二輪文化継承」への思い
  5. ハーレーダビッドソン、横浜で交通安全パレード開催へ 先頭ライダーは魔裟斗
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. AI導入の現状と未来、開発にどう活かすか? エンジニアの声は?…TE Connectivityの独自リポートから見えてきたもの
  2. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  3. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  4. EVシフトの大減速、COP消滅の危機…2024年を振り返りこの先を考える 【池田直渡の着眼大局】
  5. 【学生向け】人とくるまのテクノロジー展 2025 学生向けブース訪問ツアーを開催…トヨタ、ホンダ、矢崎総業、マーレのブースを訪問
ランキングをもっと見る