eVTOLジャパンが従来型ヘリを電動化、市場投入へ…フライングカーテクノロジー展

VTOLジャパンが出展した2人乗りヘリコプター「ロビンソンR22e」のモックアップ。これをベースにeVTOL化する
VTOLジャパンが出展した2人乗りヘリコプター「ロビンソンR22e」のモックアップ。これをベースにeVTOL化する全 8 枚

“空飛ぶクルマ”などeVTOL(垂直離着陸型航空機)やその技術を紹介する展示会「フライングカーテクノロジー」(東京ビックサイト、10月6日まで開催)で、eVTOLジャパンは2人乗りの電動ヘリコプターの開発状況をモックアップと共に披露した。

同社が手掛ける電動ヘリコプターは、米ロビンソン・ヘリコプターの機体をベースに、法政大学アーバンエアモビリティ研究所(HUAM)などと共同で開発したもの。ロビンソンは小型ヘリコプターメーカーとして知られ、高級輸入車並みの価格帯で購入できるとして高い人気を獲得してきた。操縦法も簡単で、eVTOLジャパンの説明では1週間ほどの訓練で免許を取得できるという。同社はそうした簡便さを武器に、特に訓練用としてeVTOL化したヘリコプターを市場投入していくことにしている。

展示された機体は、現在販売されている2人乗り用のロビンソン「R22」のモックアップ。同社広報部の稲本雄亮氏によれば、「ロビンソンは広く浸透しており、そのベース機がある中で電動化できるため、来年早々には飛行試験が実現できそうだ」と話す。予定される機体はeVTOL化されることでベース機名称に“e”と付けた名称となる。たとえば2人乗りの機体はロビンソン「R22e」、5人乗りの機体はロビンソン「R66e」となるということだ。

搭載されるモーターはいずれの機体もイギリスのYASA製「P400RHC」を予定し、そのモーターの出力はピーク出力160kW/連続定格出力100kWで、R22eには1基、R66eには2基それぞれ搭載される。バッテリーは東芝SCiB製リチウムイオン電池を搭載する予定で、R22eの場合、充電時間は20分ほど(急速時)で連続飛行時間は36分。現在の燃料を使うオリジナルのR22と比べて約6分の1ほどとなるが、eVTOLジャパンの代表取締役 齋藤健司氏は「現在のベルト駆動ではなく、直接駆動するハブモーター駆動することで効率を上げ、将来は1時間程度にまで延ばす計画」と話す。

現行はベルト駆動でローターを回すが、将来は効率化のために直接駆動を目指す現行はベルト駆動でローターを回すが、将来は効率化のために直接駆動を目指す

齋藤氏は「世界的な環境規制の流れは止まらない。テスラが電動でロードスターを作って成功したように、我々も電動でやっていこうと決めた。電池の改良などの課題はあるものの、特に災害時の被災直後などを運用を含め、いずれ電動ヘリコプターへのニーズは高まっていくと考えている」と述べた。その一方で“空飛ぶクルマ”については「地上走行のために必要な機器がデッドウェイトとなって、飛行に影響を与えてしまう。その意味でデュアルモードの実現は難しいのではないか」との悲観的な見通しも述べた。

《会田肇》

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