三菱商事、自動車事業の赤字転落が響いて大幅減益に…三菱自への方針は?

三菱商事、自動車事業の赤字転落が響いて大幅減益に…三菱自への方針は?
三菱商事、自動車事業の赤字転落が響いて大幅減益に…三菱自への方針は?全 2 枚

三菱商事は11月5日、2020年4~9月期の連結決算を発表した。それによると、売上高にあたる売上収益は前年同期比25.8%減の5兆7283億円、税引前利益が同59.7%減の1434億円、当期純利益が同64.2%減の866億円だった。

「新型コロナウイルスの影響をひどく受け、前年同期に比べて純利益が1557億円の減益となった。これは資源価格の低迷を背景に、豪州原料炭事業やエネルギー関連事業において巡航利益が減少したことに加え、世界的な需要の落ち込みを背景に自動車関連事業を中心に大幅になったことが原因だ」と常務執行役員の増一行CFOは総括する。

特に自動車・モビリティ事業は、4~6月期に三菱自動車が減損損失145億円を計上したことに加え、持分法利益の減少などで当期純損益が214億円の赤字(前年同期は284億円の黒字)に転落した。7~9月期は4~6月期より利益の回復傾向が見られるとのことだが、通期の業績見通しについては、8月13日に公表した500億円の赤字を変更していない。

そのほかの非資源事業も回復の兆しが見えているそうで、食品産業事業の純利益は食肉加工製造などが工場で前年同期比5割の増益だった。また、ローソンを展開するコンビニエンス事業は4~6月期が赤字だったが、7~9月期は黒字に転じたという。

「いずれにしても、足許の問題で今やるべきことを明確にしたうえで、現実に即した対応をやっていく。連結を形成している1700の関連会社、子会社の内容について、残念ながら赤字会社が多くなっているので、構造改革の中で抜本的なメスを入れていくことも考えている」と垣内威彦社長は説明。

ただ、三菱自動車については、同社が出した構造改革案を全面的にサポートしていくとし、進捗状況を見極めていくとの考えを示した。「原料炭、LLG、自動車については、市況と需要の回復を待つまで我慢をせざるを得ない面もある。我慢すべきは我慢し、辛抱すべきは辛抱し、じたばたせずに市況の回復を待つことも大切だ」と垣内社長は話し、現在の事業ポートフォリオについてはしっかりと自信を持っているという。

また、10月末に事業の凍結を発表した三菱スペースジェットに関しては、三菱航空機の株式を減損済であり、また、昨今の計画について知り得る立場にないとのことだった。

2021年3月期の純利益見通しは、8月公表時と変わらずに前期比63%減の2000億円に据え置いた。「9月末時点での進捗率は43%。下期には資産の入れ替えによる売却益などを見込む」と増CFOは話していた。

《山田清志》

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