軌道と道路の両方を走行する「デュアル・モード・ビークル」(Dual Mode Vehicle=DMV)の2020年度中導入に向けて準備が進められている阿佐海岸鉄道では、11月30日に在来列車の最終運行が行なわれる。
11月1日からJR牟岐線阿波海南~海部間が移管され、阿波海南~海部~甲浦(かんのうら)間が営業区間となった阿佐東線では、海部~甲浦間でASA101「しおかぜ」とASA301「たかちほ」による在来運行が行なわれているが、これらは2021年春を目途にデビューする3両のDMVに置き換えられることになっている。
その工事のため11月30日が在来運行の最終日となるが、当日は上下それぞれの最終列車に乗車する場合、11月27日9時から穴喰(ししくい)駅(徳島県海陽町)1階の改札窓口で発売される限定切符が必要となる。
この切符は上下各3種類で、上りは甲浦から海部または宍喰まで、宍喰から海部まで。下りは海部から甲浦または宍喰まで、宍喰から甲浦までがそれぞれ発売される。発売枚数は3種合わせた上下各80枚で、1人最大1往復分まで購入できる。
阿佐東線に導入される3両のDMV。このほか、在来運行最終日には、9時30分から20時38分まで宍喰駅で、20時10分から20時31分まで海部駅で、20時42分から20時50分まで甲浦駅でそれぞれ勇退イベントを開催。海部駅では最終列車の出発セレモニーが、甲浦駅では最終列車の終着セレモニーがそれぞれ行なわれる。
なお、在来運行終了後の阿佐東線ではバス代行輸送が始まり、2021年3月末まで鉄道運行が休止される。
在来運行終了前後の旅客扱い。阿佐東線では12月1日から全面的にバス代行となる。JR側のバス代行は12月1日以降も継続されるが、乗換え駅は阿波海南駅に変更される。すでにバス代行となっている阿波海南~海部間は当面、無料扱いとなる。