鉄道創業期の海上遺構が出土…軍部の抵抗で建設された田町-品川間沿いの「高輪築堤」

建設当時の「高輪築堤」。築堤の幅は平均6.4m。東京の城南地区にある「城南五山」と呼ばれる高台のうち、八ツ山や御殿山から搬出した土砂を、牛馬やトロッコを使って運び、埋立てに利用したという。
建設当時の「高輪築堤」。築堤の幅は平均6.4m。東京の城南地区にある「城南五山」と呼ばれる高台のうち、八ツ山や御殿山から搬出した土砂を、牛馬やトロッコを使って運び、埋立てに利用したという。全 4 枚

JR東日本は12月2日、1872年10月に開業した新橋(後の汐留)~横浜(現・桜木町)間の鉄道建設時に、海上に構築された築堤が一部出土したことを明らかにした。

【画像全4枚】

これは「高輪築堤」と呼ばれるもので、新橋~横浜間の鉄道建設の際、当時の明治政府において軍政を行なう官庁であった兵部(ひょうぶ)省が、軍用地を鉄道建設の敷地に提供することに抵抗したため、当時「芝金杉」と呼ばれた現在の東京都港区芝1・2丁目付近から品川駅(東京都港区)付近まで約2.7kmの海上を埋め立てて建設された。1870年10月に着手され、開業目前の1872年9月に完成した。

鉄道創業期の土木技術を今に伝えるとされるこの遺構は、2019年4月、品川駅の改良工事において石積みの一部が発見。さらに同年11月に実施された品川駅付近の山手線・京浜東北線線路切換工事後に行なわれたレール撤去に伴ない、2020年7月には築堤の一部と見られる構造物も発見された。

JR東日本では現在、高輪築堤について東京都港区教育委員会など、関係各所と協議・調査を行なっているが、今後は築堤の一部保存や移築保存などを検討するとともに、一般向けの見学会も計画するとしている。泉岳寺駅に近い箇所で出土した築堤の一部。泉岳寺駅に近い箇所で出土した築堤の一部。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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