【トヨタ MIRAI 新型】田中CE「フルスイングの開発」---単なるモデルチェンジを超えた

トヨタ MIRAI 新型の田中チーフエンジニア
トヨタ MIRAI 新型の田中チーフエンジニア全 7 枚

トヨタ自動車は12月9日、全面改良した燃料電池車(FCV)『MIRAI(ミライ)』を発売した。内外装を一新したのを始め、航続距離を850kmまで拡大したことなどが特徴。価格が710万円から805万円となっている。

初代に続き2代目ミライのチーフエンジニア(CE)を務める田中義和氏は同日のオンライン発表会で「単なるモデルチェンジを超えて、フルスイングの開発をした新型ミライ。1台のクルマとして魅力的であってこそ、水素エネルギーの普及を大きく前進させる力になるはず」と強調。

その上で「新型ミライでFCVは新しいステージに入る。例えば街中で見かけた時、思わず振り返って見てしまうような魅力的なスタイルイングのクルマ。例えばステアリングを握ると思わず笑みがこぼれ気付いたら遠出になってしまった、そんなずっと乗っていたくなるような気持ちの良い走りをするクルマ。今度のミライはそんなクルマになった」とも訴えた。

まずスタイリングについて田中CEは「FCVだから環境車だからではなく、スタイリングで選ばれるエモーショナルなデザインを目指した。FRならではのスポーティで躍動感のあるフォルム。力強いワイドな踏ん張り感と低重心を追求したフロントビュー。ワイド&ローな構えが際立つリアビュー。スタイルだけでも勝負できるデザイン。上質なサルーンを漂わせながらもスポーティさも備え、他のクルマと並んでいても思わず目を惹かれるような存在感がある、そんな車を目指した」と説明。

一方、走行性能に関しては「動き出してすぐに感じ取って頂けるスムーズでシームレスな走り出し。自らの意志と一体感のある気持ちの良い加速感を感じて頂くことができる。街中のシーンで起こりがちな頻繁なアクセルのオン、オフでも車両姿勢の変化を少なく制御し滑るような上質な乗り心地を感じて頂けると思う。郊外のワインディングロードなどでは最適な前後バランス、高いボディ剛性により、まさに意のままのハンドリングを実現。ドライブする楽しさ、操る楽しさを感じて頂ける」と解説した。

新型ミライの航続距離は850kmと先代に比べて約3割拡大している。田中CEは「航続距離の拡大は初代ミライのお客様からの一番のご要望であり、今回の開発の大きなテーマだった」と明かす。

このため新型ミライでは「新開発燃料電池による効率アップと、水素搭載量を大きく増やすことで、WLTCモードで約850kmの航続距離を実現。実走行でも東京から大阪まで安心してご旅行頂けるようなった。頻繁に水素充填する手間を軽減するとともに、充填時間が3分程度という点は普段使いからご旅行まで安心してお使い頂けるのではないか」とした。

さらに田中CEは「FCVならでの環境性能として今回、ゼロエミッションだけではなく、マイナスエミッションという新しい価値を提供する」とも披露。具体的には「特殊なフィルターを採用することで発電のために吸い込む空気からPM2.5などを除去して排出する空気清浄システムを搭載した」という。

しかも「どれだけの空気をきれいにしたかを実感して頂けるように、センターディスプレイにメーターを用意した。瞬間的にはまるでタコメーターのようにアクセルに応じてゲージが回転する」とのことだ。トヨタ MIRAI 新型の空気浄化メータートヨタ MIRAI 新型の空気浄化メーター

《小松哲也》

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