大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は12月10日、予定していた本年末年始の終夜運転を中止すると発表した。
大阪府における新型コロナウイルスの陽性者は11月に入り急上昇。12月9日時点で累計2万3420人に昇っており、この日は427人の陽性者が確認されている。
大阪府の吉村洋文知事は、12月15日まで不要不急の外出を自粛することや、飲食店などへ営業時間短縮などを要請しているものの、医療態勢が逼迫していることから、自衛隊へ看護師の派遣を要請。12月14日には自粛要請延長の可否を検討するとしている。
大阪メトロは12月4日に終夜運転の実施を発表していたものの、こうした状況を受けて「大阪府下における新型コロナウイルス感染症拡大による医療のひっ迫などの状況を鑑み」として終夜運転中止を決定。これに合わせるように、大阪メトロ御堂筋線と相互直通運転を行なっている北大阪急行電鉄(千里中央~江坂)も12月10日に中止を発表している。
これにより関西圏の大手鉄道では、終電延長や臨時列車の運行に留まることになった。
一方、関東圏の大手では、京浜急行電鉄(京急)が12月9日に、京王電鉄(京王)が12月10日に終夜運転を行なうことを発表。東急電鉄(東急)、東武鉄道(東武)、西武鉄道(西武)、小田急電鉄(小田急)、相模鉄道(相鉄)が中止を発表しているものの、関東と関西で明暗が分かれる結果となった。
ただし、京急や京王も状況次第では中止や運転区間の変更を行なうとアナウンスしている。
このほか、関西エリアでの終夜運転中止を発表しているJR西日本は、岡山支社管内の吉備線(桃太郎線)を含む岡山~総社間で、年明け後の深夜に運行を予定していた初詣臨時列車4本の運行中止を発表している。