電車をトレーラーで深夜陸送100km…西武ドームに設置[フォトレポート]

メットライフドームエリア
メットライフドームエリア全 55 枚

プロ野球西武ライオンズの本拠地メットライフドーム(西武ドーム)に19日早朝、西武鉄道101系車両1両が搬入・設置された。埼玉県の秩父から所沢まで約100kmをトレーラートラックに乗せて道路を移動し、最後は200t級クレーンを使って設置した。

【写真】電車をトレーラーで深夜陸送100km(全55枚)

西武ライオンズではメットライフドームエリアの改修工事を進めており、1塁側場外の「トレイン広場」に車両は設置された。車両はメットライフドームエリアの新しいシンボルとなる。3月のオープン後は、音響や照明で試合の展開に沿った演出が予定されている。また車内も見学でき、利用方法を検討中だ。

搬入された車両は西武鉄道101系のクハ1262。1980年10月から使用され、2020年11月に引退したばかりだ。2018年2月から、同じ西武グループの伊豆箱根鉄道色となっていたが、メットライフドームでは今後1月に、ライオンズカラーや球団マスコットのレオ、ライナのイラストをあしらったラッピングを施す。

クハ1262はトレーラーに乗せられ、12月18日22時40分ごろ、埼玉県秩父郡横瀬町の横瀬車両基地を出発した。車両は台車、クーラーなど外されてはいるものの、長さ19.6m、幅2.8m、高さ3.449m、重さ26.79tというサイズだ。12月19日3時30分ごろに埼玉県所沢市のメットライフドームエリアに到着した。平均移動速度はおよそ20km/h。速いのか遅いのか……。

メットライフドームの最寄駅は西武球場前駅だが、遠路、秩父の横瀬車両基地から道路を陸送した理由は、搬出する際の都合だ。通常、電車の線路上には電線があるので、車両の搬出には電線のない線路が必要だからだ。クレーンやトレーラーを配置するスペースも必要になる。また、西武鉄道の廃車はいっぱんに横瀬で解体されるので、引退後はそちらに移動している。実は車種の選定は、鉄道側の車両引退スケジュールと、ドーム側の改修スケジュールとが合った中で、運転台付きの車両、ということでクハ1262になった。

19日の10時50分ごろから車体の設置作業は始まった。トレーラーに乗せられた車体がクレーンで吊り上げられて宙に浮いたのは11時10分ごろ。晴天ほぼ無風と天候には恵まれたが、現場は地面に起伏があり、車両と既存の建築物との間隔もわずかだ。15分ほどかけて移動、トレイン広場に構築した線路上の、先に設置してあった台車の上に下された。

西武ライオンズではメットライフドームエリアの改修にあたって、鉄道グループなので思い切って電車を置いたらどうだろう、と今回の設置に至ったそうだ。小さい子どもたちの中には野球に飽きてしまう子もいるので、こういった施設で楽しんでもらいたい、幅広い人に球場に来て楽しんでもらいたい、と期待する。

《高木啓》

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