ブガッティ、世界一高価なクリスマスディスプレイは1100万ユーロ…フランスの本拠地に展示中

1930年代に4台が生産された名車の中の1台にインスパイア

カーボン独特のパターンが見えるボディ

8.0リットルW16気筒ターボは最大出力1500hp

ブガッティの地元恒例のクリスマスマーケットの中止に配慮

フランス・モルスハイム市内中心部に展示中のブガッティ・シロン・ラ・ヴォワチュール・ノワール
フランス・モルスハイム市内中心部に展示中のブガッティ・シロン・ラ・ヴォワチュール・ノワール全 9 枚

ブガッティは12月14日、フランス・モルスハイム市内中心部に、『シロン』(Bugatti Chiron)の「ラ・ヴォワチュール・ノワール」の展示を開始した。ブガッティの本拠地、モルスハイムに対する特別なクリスマスプレゼントになるという。

1930年代に4台が生産された名車の中の1台にインスパイア

同車は、シロンをベースに開発された特別モデルで、伝説の「ラ・ヴォワチュール・ノワール」=“黒い車”の再来をテーマに掲げた。ラ・ヴォワチュール・ノワールとは、1936~1938年に4台のみが生産され、世界で最も美しい車と称される『タイプ57 SCアトランティック・クーペ』の1台だ。

4代のうち3台は所在がわかっているが、ノワールとよばれた1台は、第二次世界大戦の初めの頃に姿を消した。もし今、発見されれば、世界で最も高価な車になるといわれる。ブガッティによると、シロンのラ・ヴォワチュール・ノワールは、この車にインスパイアされたという。

2019年3月、ブガッティのデザインディレクターのアヒム・アンシャイト氏は、1930年代のラ・ヴォワチュール・ノワールを再解釈し、ブガッティの市販モデルに取り入れることを決定した。その内容は、伝説的なクーペを現代的に解釈し、ブガッティファンのための究極のグランツーリズムとして提案することだという。

カーボン独特のパターンが見えるボディ

車体はブラックで、カーボンファイバー独特のパターンが見える演出を施した。フロントグリルは純銀製で、黒のエナメル仕上げとした。中央にはブガッティの「マカロン」エンブレムが配される。

ブラックで仕上げられたブレーキキャリパーを、専用デザインのホイールと組み合わせた。ボディサイドには、ソリッドメタルから削り出されたC字型の「ブガッティ・シグネチャーライン」を採用する。ブラックボディに、艶消しのポリッシュアルミが、アクセント効果を発揮する。ドアミラーやエンジンカバーなどは、ブラックカーボンとポリッシュアルミで仕上げられた。「ノワール」のエンブレムは、サイドパネルとリアフェンダーに装着されている。

インテリアも、ブラック基調とした。一部に、シルクマット仕上げのアルミを使用する。ノワールのエンブレムは、ドアシルとセンターコンソールに配置され、ヘッドレストにも刺繍された。センターアームレストには、カーボン製エンブレムをあしらう。

マットブラック仕上げの「Sportive」も選択できる。これは、車体のカーボンファイバーをマットブラック仕上げとしたものだ。C字型のブガッティ・シグネチャーライン、ホイール、フロントスポイラー、グリルが、マットブラックになる。チタン製エキゾーストシステムの4本のテールパイプも、エンジンカバー同様に、ブラック仕上げだ。

インテリアは、センターコンソールとヘッドレストのノワールの文字がブラックに。ダッシュボード内側のCライン、スイッチ、プッシュボタン、ロータリースイッチ、ステアリングホイール、センターコンソール、ドアハンドルは、マットブラックとなる。

8.0リットルW16気筒ターボは最大出力1500hp

ミッドシップに搭載される8.0リットルW16気筒+4ターボは、2ステージターボ化されており、最大出力1500hp/6700rpm、最大トルク163kgm/2000-6000rpmを引き出す。先代の『ヴェイロン』の最大出力1200hp、最大トルク153kgmに対して、300hp、10kgm強化された。

トランスミッションは7速デュアルクラッチ「DSG」で、駆動方式は4WDだ。0~100km/h加速2.5秒、最高速420km/h(リミッター作動)という世界最高峰の性能を備えている。

ブガッティの地元恒例のクリスマスマーケットの中止に配慮

ブガッティはこの『シロン・ラ・ヴォワチュール・ノワール』を、フランス・モルスハイム市内中心部に展示している。ブガッティの本拠地、モルスハイムに対する特別なクリスマスプレゼントになるという。

モルスハイム市内では毎年この時期、クリスマスマーケットが開催される。しかし今年は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大の影響により、中止された。そこで、ブガッティは、モルスハイム市内中心部のクリスマスツリーのすぐ隣に、大型のガラス製ショーケースを設置し、その中にシロンのラ・ヴォワチュール・ノワールを展示している。

モルスハイム市のLaurentFurst市長は、「この素晴らしい贈り物を届けてくれたブガッティにとても感謝している。現在、モルスハイムの住民は、このユニークな傑作、ラ・ヴォワチュール・ノワールを鑑賞することができる。創業者のエットーレ・ブガッティも誇りに思っていることだろう」と語っている。

なお、シロンのラ・ヴォワチュール・ノワールは、2021年3月末まで、展示される予定だ。ブガッティの生産&物流担当マネージングディレクター、クリストフ・ピオチョン氏は、「モルスハイムのクリスマスマーケットに取って代わるものはないが、このような困難な時期に人々に喜んでもらうことは重要」と述べている。

なお、シロン・ラ・ヴォワチュール・ノワールの価格は、この展示車両の場合、1100万ユーロ(約13億9000万円)。世界一、高価なクリスマスディスプレイとなっている。

《森脇稔》

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