【インディアン チャレンジャー 試乗】史上初のバガーレースで勝利した走れるビッグバイク…増井貴光

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インディアン チャレンジャー
インディアン チャレンジャー全 57 枚

バガーというカテゴリーをご存知だろうか?インディアンやハーレーダビッドソンなどのアメリカン大型クルーザーにサイドバッグやトップケースが着いたバイクをバガーと呼称している。

バガーカスタムといえば21インチ以上の大径フロントホイールや派手なペイントが多いのだが、ここ何年かはエンジンや足回りをチューニングしたパフォーマンス・バガーもアメリカでは人気がある。

史上初のバガーロードレース「キング・オブ・ザ・バガーズ」で劇的な勝利

その頂点に立つのが10月にカリフォルニア州にあるラグナセカで開催された「Drag Specialties King of the Baggers invitational(ドラッグスペシャリティーズ・キング・オブ・ザ・バガーズ)」。おおよそレーストラックを走るとは思えないバガーによるアメリカらしいレースだ。今回初めて開催されたこのレースには13台がエントリー、11台のハーレーと2台のインディアン・チャレンジャーの戦いとなった。

史上初のバガーロードレース「キング・オブ・ザ・バガーズ」で劇的な勝利を飾るインディアン チャレンジャー史上初のバガーロードレース「キング・オブ・ザ・バガーズ」で劇的な勝利を飾るインディアン チャレンジャー
もちろんノーマルではなくS&Sやバンス&ハインズ、パフォーマンスマシンなどアメリカのメジャーなチューニングパーツメーカーがそれぞれのバイクをチューンした。8周のレースのスタート直後からタイラー・オハラがライダーのS&Sがチューンしたチャレンジャーとヘイデン・ギリムのバンス&ハインズ・ハーレーがトップを競う。

レース中盤にオハラがコースアウトするものの、奇跡的に順位を上げ2位まで復帰、ラスト2ラップでギリムを抜き優勝した。もう一台のローランド・サンズ・デザインのチャレンジャーも3位に入賞しポテンシャルの高さを見せつけた。

ノーマルでは400kg近い車重があるバガーは軽量化したとは言え300kg前後だろう。大陸を横断するために造られた巨大な車体がラグナセカの名物コーナーであるコークスクリューをフロントを上げながら抜けていく迫力は凄まじい。S&Sチャレンジャーのライダーであるタイラー・オハラはロードレースやフラットトラックなどで活躍するトップライダー。他のライダーもアメリカではメジャーなレーシングライダーばかりだ。既に来年は3戦が開催されるという話も出ている。

パフォーマンス・バガーたるインディアン・チャレンジャー

インディアン チャレンジャーインディアン チャレンジャー
このパフォーマンス・バガーの世界観をノーマルで体感できるバイクが、インディアン・チャレンジャーだ。フロントサスペンションは倒立、リアにはFox社製のモノショックを採用しブレーキはブレンボのラジアルマウントキャリパーとレーシングスペックに近い。

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パワーユニットは水冷4バルブOHC1768ccのVツインエンジン「パワープラス」を搭載。最高出力は122HP、更に178Nmという最大トルクを3800rpmで発生させる。上級モデルのダークホースとリミテッドには、トラクションコントロールとABSを組み合わせたスマートリーンテクノロジーを採用している。

一般道、高速、ワインディングでインプレッション

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横浜某所でチャレンジャー・リミテッドを受け取る。渡されたスマートキーはハンドルロックの施錠と解除のボタンのみ。キーは使わずコンソールのメインスイッチをオンにしてスターターを回すと1767ccのVツインはあっけなく眼を覚ます。アイドリングでもV8のアメ車を連想させる低く迫力のある排気音。380kgという車重なのに引き起こしは拍子抜けするほど軽く感じる。

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横浜の街を抜け湘南に向かう。Vツインの鼓動感はあまり期待していなかったのだが、回転数を上げるほどツインらしいビートを感じてくる。一般道で渋滞に巻き込まれてもアシストされたクラッチは軽く苦にならない。

そして、チャレンジャーにとってはメインステージとなる高速道路へ。合流車線から少しワイドめにスロットルを開けて本線に合流。加速の良さは予想通りだったけれど、レーンチェンジの挙動が重量車とは思えないほど軽い。フレームの剛性とサスペンションの性能の高さを既に感じる。3000回転くらいからのトルク感はかなり気持ち良く加速することが癖になりそうだ。もちろん安定感も素晴らしく、このままどこまでも走り続けたくなる。

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高速道路からハイスピードコーナーが続くワインディングへ入る。クルーザーなりにゆったり走っても快適だがスロットルを開けると性格は豹変する。広めのハンドルにアップライトで足を前に投げ出すクルーザーのライディングポジションなのにかなりハイスピードでコーナーを攻められる。

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スロットルからダイレクトにエンジンの回転は上がっていく。サスペンションやラジアルタイヤの性能のせいでかなりリーンしても不安な挙動は全くない。タッチが良く使いやすいブレーキも重要だ。感覚的にはスポーツバイクと同レベルでコーナーが抜けられる。

多少オーバースピードでコーナーに進入してもスマートリーンテクノロジーのおかげかアウト側にはらむことも無く理想的なラインをキープできる。速く走れても電子デバイスがアシストしてくれてバイクに乗せてもらってます、という気持ちになってしまうバイクは好みではない。チャレンジャーは重い車体を自分で操っている満足感がありつつ、ちょっとした無理をしたところで気づかない程度にアシストしてくれる繊細さがあるように感じた。

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重量級ビッグバイクらしからぬ、走らせる愉しさを体感できるチャレンジャー

ハイウェイでの快適さとコーナーでの楽しさという相反する性能を併せ持つチャレンジャー。個性的で高級感のあるスタイリング。伝統的でありながら革新的なパフォーマンス。何よりも走らせることが楽しくて仕方ない。ゆったり大陸横断もできてキング・オブ・ザ・バガーズのようにワインディングも楽しめる。そんなバイクは、他にはあまり存在しないと僕は思う。バガーなんてバイクじゃない、と思う人は食わず嫌いせずに是非一度乗ってみて欲しい。新しいバイクの楽しみ方が開けるはずだ。

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増井貴光|モーターサイクルフォトグラファー&ジャーナリスト
モーターサイクルのフィールドを中心に広告、雑誌等の撮影、コラムの執筆などで活躍中。紙面に自ら登場することも多いフォトグラファー。海外ではアメリカに精通し、ROUTE66、ドラッグレース、バハ1000、ボンネビル・ランド スピードレース等の取材と撮影実績を持つ。ボンネビルは2010年より毎年渡米、 世界記録保持者のHiro Koisoのレースチームに同行し取材を続けている。

撮影協力:バイカーズパラダイス南箱根

《増井貴光》

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