アウディの新世代PHV、欧州で7車種に拡大… A3 から Q8 まで

航続の拡大を支援する予測効率アシスト

充電を計画できるmyAudiアプリ

バッテリー残量をできるだけ維持するバッテリーホールドモード

アウディの新世代PHV。左から新型A3スポーツバック、Q3スポーツバック、新型Q3、Q8
アウディの新世代PHV。左から新型A3スポーツバック、Q3スポーツバック、新型Q3、Q8全 34 枚

アウディは12月17日、欧州市場における新世代プラグインハイブリッド車(PHV)のラインナップを、合計7車種に拡大した、と発表した。

アウディは、電動化戦略を加速している。すでに欧州では、『A6』、『A7スポーツバック』、『A8』、『Q7』、『Q8』にPHVをラインナップした。新型『A3スポーツバック』に続いて、新型『Q3』と新型Q3から派生したSUVクーペの『Q3スポーツバック』にも、PHVが欧州で設定され、欧州市場におけるPHVラインナップが、合計7車種に拡大した。7車種のPHVすべてのグレード名に、新世代PHVを意味する「TFSI e」が冠される。

航続の拡大を支援する予測効率アシスト

アウディの最新PHVには、複数の新技術が導入されている。そのひとつが、「予測効率アシスト」(PEA)で、航続の拡大を追求する支援システムだ。ナビゲーションデータと予測効率アシスト、車両センサーシステムの情報を利用して、ルート全体の大まかな計画と、細かい計画を作成する。

そして、ドライバーがアクセルペダルから足を離す必要がある状況を認識する。走行中のドライバーには、ディスプレイからの情報と、アクティブアクセルペダルによる触感フィードバックが得られるようにした。

PHVシステムのマネジメントには、ナビゲーションシステム、各種センサー、先進運転支援システム(ADAS)から得られた大量のデータを使用する。効率を上げるために、減速時にはほとんどの状況でエンジンを休止させ、車両を惰性走行させる

充電を計画できるmyAudiアプリ

「myAudi」アプリを使用すると、顧客はスマートフォンを通じて、「Audi Connect」のサービスが利用できる。これには、バッテリー残量と航続の確認、充電の開始、充電タイマーのプログラミング、充電と電費データの取得が含まれる。

myAudiアプリのもうひとつの機能は、乗車前の車内の空調の遠隔操作だ。これは、車内のエアコンシステムのコンプレッサーと補助ヒーターに、電気が供給されているために可能になったもの。ドライバーは、乗車前にあらかじめ、快適な室内温度を設定できる。ステアリングホイール、シート、ドアミラー、フロントガラスやリアウィンドウの曇り止め、シート内蔵のファンなどを、乗車前の最適な状態に調整しておくことも可能だ。

ドライブ途中での充電も、myAudiアプリで計画できる。myAudiアプリを利用すれば、現在の充電状態や走行可能距離を知ることができる。アウディ「e-tron」充電サービスも利用でき、1枚のカードで欧州の約15万5000の充電ポイントにアクセスできる。

バッテリー残量をできるだけ維持するバッテリーホールドモード

走行モードは「EV」と「ハイブリッド」があり、ハイブリッドは「オート」と「ホールド」が選択できる。モードボタンで、ドライバーはこれらの基本設定から選択し、電動ドライブの優先などのモードが選べる。EVモードでは、欧州の1日あたりの平均的な通勤距離を、ゼロエミッション走行できる。

「オートハイブリッドモード」の場合、エンジンとモーターによる駆動をインテリジェントに使い分ける。「MMI」オペレーティングシステムを介して、「バッテリーホールド」と「バッテリー充電」の2つのモードが選択できる。バッテリーホールドモードでは、バッテリー残量をできるだけ維持する。バッテリー充電モードでは、できるだけ多くの電力がバッテリーに供給される。

アクセルペダルから足を離すと、電気モーターが回生ブレーキを作動させる。この時の減速は、アクセルペダルのみのワンペダルで行えるという。油圧ホイールブレーキは、ドライバーがブレーキペダルをより強く踏んだ場合にのみ作動する。ブレーキング中、システムは電気モーターを介して、車種に応じて40 kW~80kWの電力を回収し、バッテリーに蓄える。

《森脇稔》

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