【青山尚暉のわんダフルカーライフ】2020年 わんダフルカー・オブ・ザ・イヤー 決定! ベスト3は?

2020年 わんダフルカー・オブ・ザ・イヤー
2020年 わんダフルカー・オブ・ザ・イヤー全 33 枚

2020年は新車の当たり年でもあった。2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーのノミネート車も、魅力的なクルマばかり。モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもある筆者も、選考に大いに悩んだものだった。

さて、今年も恒例の、1年を締めくくるドッグフレンドリーカー選びである。選考は、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーのノミネート車からとして、あくまで、愛犬とドライブするのに相応しい…という観点から、わが家の愛犬であり、自称自動車評論犬!? 3代目のジャックラッセルのララとともに、今年のベスト・ドッグフレンドリーカーにふさわしい3台を選んでみた。

3位 スズキ・ハスラー

スズキ ハスラースズキ ハスラー

3位であるとともに、ドッグフレンドリー軽自動車としてベストと思えるのは、スズキ『ハスラー』である。2代目となったハスラーは、TVCFが犬の鳴き声で始まり、ラゲッジに飛び乗るブラックラブラドールが登場することからも分かるように、初代同様、愛犬家にもぴったりな、ミニマムドッグフレンドリーカーである。

ドッグフレンドリーポイントとしては、まずは犬の乗降性の良さが挙げられる。犬の乗車場所は、後席と、後席をフラットに格納したラゲッジスペースだが、後席への乗車は、大きく開くドアと、本格的な走破性を備えたクロスオーバーSUVとしては低めのシート位置によって、大型犬はもちろん、ジャンプ力のあるジャックラッセルのような小型犬でも楽々そのもの。

しかも、かなりマニアックなポイントとして、サイドステップとシートサイドの間に隙間がないことも、実はドッグフレンドリーポイント。犬が後席に乗り降りする際、ダブルコートの犬の場合はどうしても落ちてしまいやすい抜け毛が狭い隙間に入り込むと、掃除しにくく、それが車内の動物臭の原因になりがち。しかし、新型ハスラーはそこに隙間がないため、犬の前足をかけやすいだけでなく、お掃除も楽々というわけだ。

スズキ ハスラースズキ ハスラー
スズキ ハスラースズキ ハスラー

後席をフラットに格納したラゲッジに犬が乗車するにしても、開口部地上高はクロスオーバーSUVとして低めの約71cm。後席背面とラゲッジフロアには汚れや水気に強い素材が使われ、汚れや抜け毛のお掃除も簡単、楽々なのである。ちなみに、ハスラーは車中泊にもしっかりと対応している(車中泊用アクセサリーも豊富に揃っている)。

スズキ ハスラースズキ ハスラー

また、車内には数々の収納が備わり、例えば、助手席シートアンダーボックスやラゲッジ床下のラゲッジアンダーボックスは樹脂製の防汚タイプで、外して洗うことができ、取り外せばラゲッジがより広く使えるなど、便利機能満載だ。汚れやすい愛犬用グッズの収納場所にも困らない。

スズキ ハスラースズキ ハスラー
スズキ ハスラースズキ ハスラー

もちろん、走行性能も文句なく、しかもドッグフレンドリー。乗り心地は軽自動車最上級の快適度。フラットで前後左右の姿勢変化最小限の走行性能、段差などの突起を乗り越えてもマイルドにこなしてくれるフットワークは、車内でどこかにつかまれない犬にとっても大歓迎のはずである。わが家の自称自動車評論犬!? のジャックラッセルのララによれば、「車酔いしやすい犬も、これなら大丈夫わん」らしい。

スズキ ハスラースズキ ハスラー

そして新型ハスラーのドッグフレンドリーポイントをさらに高めてくれるのが、自慢の4WD性能だ。そもそも初代ハスラーは、雪国のユーザーの要望に応えて登場したぐらいで、雪道にもめっぽう強い軽自動車だ。その4WDモデルには新たにスノーモードが加わり、4WD車専用のグリップコントロール、ヒルディセントコントロールとともに、全天候下、オールロードでの抜群かつ安心の走破性を備えている。犬が大好きな白銀の世界へのドライブに、躊躇なく出かけられるのも、新型ハスラーを評価した理由の一つである。ターボモデルにはACC(アダプティブクルーズコントロール)も備わり、愛犬とのロングトライブも快適、安全というわけだ。

スズキ ハスラースズキ ハスラー

2位 ホンダ・フィット

ホンダ フィットホンダ フィット

えっ、ドッグフレンドリーカーに『フィット』? と思うかもしれないが、歴代フィットは、実は犬を乗せるのにぴったりなコンパクトカーだった(現行型も)のである。その最大の理由は、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトにあり、後席をごく低く畳むことで(地上高約60cm)、フラットで広大な拡大ラゲッジスペースを出現させられる革新的なシートアレンジ性にある。また、後席の座面そのものもごく低くセット(約61cm、世界のステーションワゴンのラゲッジフロア地上高の平均値約62cmより低い)されているから、リヤドアから後席、または拡大したラゲッジスペースに犬を乗せるという使い方では、世界のコンパクトカー最上級のドッグフレンドリー度を備えているのである。

ホンダ フィットホンダ フィット
ホンダ フィットホンダ フィット

ちなみに、ジャックラッセルのララによれば、後席シートサイドとサイドステップの間に隙間がなく、乗降時にどうしても落ちる抜け毛が隙間に入らないことと(後で掃除が大変)、シート厚を増した後席の居心地、寝心地が抜群とのことも、好評価のポイントだとか。犬的には、アウトドアにもピッタリなクロスターグレードがよりお薦めだそう。

ホンダ フィットホンダ フィット
ホンダ フィット クロスター と モータージャーナリスト 青山尚暉 氏ホンダ フィット クロスター と モータージャーナリスト 青山尚暉 氏

新型フィットは、まるでロマンスカーの最前列席に座っているような、パノラミックな前方視界が大きな魅力でもあるのだが、コンパクトカーの域を超えた乗り心地の上質さ、快適さにも注目だ。その乗り味は、一般道、高速道路、山道を問わず、高級車さながらの快適性、静かさが実現されている。全モデル標準装備となるACCに加え、SOSコールボタン、トラブルサポートボタンによる、ロングドライブでの快適感、”つながる”安心感はもう絶大と言っていい。

ホンダ フィットホンダ フィット
ホンダ フィットホンダ フィット

そして、新型フィットを含むすべてのホンダの実用車に共通するドッグフレンドリーポイントは、ホンダの純正ドッグアクセサリー、Honda Dogシリーズが豊富に揃っていること。この点では、他社を確実にリードしているのだ。

ホンダ フィットホンダ フィット
ホンダ フィットホンダ フィット
ホンダ フィット クロスターホンダ フィット クロスター

1位 スバル・レヴォーグ

スバル レヴォーグスバル レヴォーグ

実は、日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員でもあるボク自身が、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーで最高点の10点を与えたのが、スバル『レヴォーグ』だった。

スバル レヴォーグスバル レヴォーグ

モータージャーナリスト的に言えば、素晴らしく静かで乗り心地がよく、また運転する楽しさに溢れ、さらにアイサイトXによる先進的な運転支援機能、SOSコールやスバルiコールのつながる安心にも感動しきりである。

スバル レヴォーグスバル レヴォーグ
スバル レヴォーグスバル レヴォーグ

極めつけのドッグフレンドリーポイントが、国産ステーションワゴンではめずらしい、4:2:4分割の後席(先代から継承)。愛犬をクルマに乗せる場所は、あくまで後席が基本ながら、どうしても後席に人が乗り、愛犬をラゲッジに乗せざるを得ないケースもあるはず。そんな時、4:2:4分割の後席中央の2部分を倒し、アームレストとして使うことで、キャビンとラゲッジスペースの間に空間ができ、これまた大きなドッグフレンドリーポイントである、後席エアコン吹き出し口(新型となって新設定された)からの風がラゲッジスペースに届きやすくなる。また、前席あるいは後席の飼い主と愛犬とのアイコンタクトが可能になり、お互い、安心してドライブを楽しめるようになるのである。

スバル レヴォーグスバル レヴォーグ
スバル レヴォーグスバル レヴォーグ

後席シートサイドとサイドステップとの間に隙間がない、ラゲッジフロアの開口部に大きな段差がなく、犬が乗り降りするときに足を引っかけにくい…など、国産ステーションワゴンとして最上級のドッグフレンドリーポイントをしっかりと備えている点も大いに評価できる。

スバル レヴォーグスバル レヴォーグ
スバル レヴォーグスバル レヴォーグ

後席シートサイドとサイドステップとの間に隙間がない、ラゲッジフロアの開口部に大きな段差がなく、犬が乗り降りするときに足を引っかけにくい…など、国産ステーションワゴンとして最上級のドッグフレンドリーポイントをしっかりと備えている点も大いに評価できる。

スバル レヴォーグスバル レヴォーグ

お薦めはもちろん、アイサイトX搭載モデル。そのSTIスポーツは、意外にも乗り心地に優れ、わが家の次期ドッグフレンドリーカー候補車の1台でもあったりする。そんな新型スバル レヴォーグを、運転好きの大型犬、多頭飼いの愛犬家にもぴったりの(もちろん小中型犬の飼い主にも)、今年一番のドッグフレンドリーカーとして認定させていただきたい。

スバル レヴォーグスバル レヴォーグ

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、ラジオ番組の出演、イベントも手がけ、愛犬との安心快適な自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動、自動車用ペットアクセサリーの企画・開発も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 史上最強のVW『ゴルフGTI』、6月20日デビューを予告
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 宮崎「シーガイア」にサーキットがオープン! セグウェイの「電動ゴーカート」を日本初導入
  5. 「パジェロですか?」三菱が初公開した次世代SUVに熱視線! SNSでは日本導入を求める声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る