「ちょっと旧車」なクルマの経年劣化に絶句…日産 フィガロ[酔狂 愛車日記]

「ちょっと旧車」なクルマの経年劣化に絶句【日産フィガロ 酔狂 愛車日記 02】
「ちょっと旧車」なクルマの経年劣化に絶句【日産フィガロ 酔狂 愛車日記 02】全 14 枚写真をすべて見る

コロナ禍まっただ中のいま、都内でひとり暮らし30代後半という状況で、よせばいいのに、幼い頃からずっと憧れていた日産『フィガロ』を人生初の愛車として、2020年7月に手に入れた。

そんな無謀な筆者(当メディア編集部員)の体験を綴る『日産フィガロ ・酔狂 愛車日記』連載2回目は、フィガロの「初運転」と「個体探し」で直面したリアルな出来事をお伝えしたい。

人生初の愛車として手に入れた「日産フィガロ」
写真左は、都内某所で駐車したときの愛車「フィガロ」。普段は、写真右のように屋根なしの月極駐車場にて、カバーをかけて保管している。なお、写真と実際の駐車場は異なる

「運転」したこともないクルマは買えない

小学低学年の幼き頃、長崎県佐世保の地でフィガロを初めて目にして「いつか絶対ほしい!」と強く思ったあの日から、約28年後となる2019年11月上旬。

クルマ情報Webメディアの編集者という環境や、クルマをこよなく愛する温かい方々との出会いなどに背中をおされ、よせばいいのにフィガロ所有に向けて、筆者は気持ちを固めた。

2020年11月までにフィガロを手に入れようと納車目標期限を決めて、中古車検索サイトをチェックしはじめて、すぐ思った…。「フィガロって、乗り心地はどうなんだろう。普段遣いのクルマとして、ちゃんと走れるのだろうか? 運転したこともないのに、買って大丈夫なのか?」と。

筆者は、18歳の高校3年時にマニュアルで自動車免許を取得後、15年以上ペーパードライバーだったのだが、教習所に数回通って感覚を取り戻したうえで、2016年5月頃から頻繁にレンタカーやカーシェアを利用している。一応クルマは運転できる(駐車はめっぽう苦手。縦列駐車はいまだにできない)が、新車に近い最近のクルマにしか乗ったことがないのだ。

そんな筆者が “ ヤング・タイマー ” と呼ばれる領域に到達している、ちょっと旧い希少車なフィガロを乗りこなせるのか? 乗り心地は良いのか? 一度も運転したことがないまま憧れだけで購入し、その後も長く大事にできるのか? 

いま販売中のクルマなら、買う前にディーラーなどで試乗できるが、それとはわけが違う。中古のフィガロを展示販売しているショップに相談しても、難しいだろう。車検が切れていて、エンジンの状態もよくわからないフィガロに、乗れるわけがない。いきなりフィガロのオーナーズクラブイベントに顔を出す勇気もない。いわずもがなだが、フィガロを所有している友人・知人もいない。気兼ねなくフィガロを試乗する方法が見つからない…。冷静にそう思った瞬間から、購入意欲はトーンダウン。無謀すぎる自分の浅はかさに気づいたのに、往生際が悪い筆者は、諦めきれずにいた。

◆「カーシェアリング・サービス」という選択肢

モヤモヤした気持ちを抱えながら、恨めしく中古車検索サイトでフィガロの中古車情報を眺める日が続いたある日のこと。クルマとITサービスに詳しいクラシック好きのM氏に、何気なく相談したら「カーシェアは? フィガロあるかもよ」とアドバイスを頂いた。

いやいや、無いだろう、さすがに。

と筆者が思っている間にM氏はちゃちゃっとスマホを操作。「あった。1台だけ。これで乗れるね!」とにこやかな表情で、筆者にスマホ画面を見せてくださった。

それから数日後の11月29日の夜。筆者はフィガロのシートに座っていた。M氏のアドバイスに従い、カーシェアリング・サービスを利用して、フィガロを1日お借りし、はじめてのドライブを経験できたのだ。

丸目のライトに曲線的なボディ。屋根は白い幌。想像以上に大きく横長で重みがあるドア。パイピングが印象的でこわだりを感じる本皮シート。銀メッキで装飾された細いハンドル。アナログのメーターパネル。カセットデッキ付きの純正オーディオ。写真でしか見たことがなかったものを、自分の目で見て触れることができた。その時の感極まった気持ちを言葉で伝えるのはとても難しい。

お借りしたフィガロは、外装・内装ともに美しく、車検から戻ってきたばかりでエンジンの調子も良い状態と聞いた。屋根(幌)を畳んでオープンにする方法を教わり、「オープンにして走るのがフィガロの醍醐味ですから」と薦められるまま夜の都内を走るという…。正直、気恥ずかしさもあったが、単純にワクワクして楽しかった。翌日、早朝から出発。走行中に大きなトラブルはなく、11月下旬という紅葉時期に多摩地域西部の秋川渓谷まで走って、フィガロの初運転を堪能した。

だが、気になることが多すぎるほどあった。筆者は日頃からレンタカーやカーシェアを利用する機会が多いため、今のクルマとフィガロを比べてしまった。

ちょっと旧車なフィガロは「エンジン音が大きい」「ガソリンのニオイがする」「ガタガタ揺れる」「ダッシュボードが割れている」「銀メッキが剥げている」「純正スピーカーの音がこもったような聞き苦しさがある」などなど、これまで感じたことがない不安を覚えたのは確かだ。それなのに、どうしようもなく感動のほうが大きかった(そう思ってしまった自分自身に驚いたほどに)。1日借りただけで、ちょっと旧車なクルマならではのウイークポイントがザクザクあることを痛感してもなお「やっぱりフィガロがほしい!」と思ってしまったのだ。もう、後には引けない。

経年劣化を受け入れるために「現車」を見たい!

それからというもの、筆者はひたすらネットでフィガロ情報を収集。一度運転したことで、ちょっと旧車なフィガロの弱点や痛みやすい部分を知ったからこそ、車両購入予算を100万円と決め、日常的に中古車検索サイトをチェックしはじめた。2020年1月時点では40台ぐらいあったように思うが、40~300万円以上と価格の幅が広かった。

自動車販売店が、中古車情報サイトで公開している走行距離や修復歴などの文字情報に加え、痛み具合などを画像データでチェックし、現車を確認せず中古車を購入する人もいると思う。だけども筆者は、絶対に現車を確認してから購入を決めたかった。

2019年11月下旬のフィガロ初運転から1ヶ月と少し経った、2020年1月3日。筆者は、都内から電車で行ける範囲内で、フィガロを展示販売している中古車販売店を絞り込み、片道2時間ほどかけて訪問することに。

目的の中古車販売店の近くまでたどり着くと、道路に面した屋外展示場に、筆者がほしいエメラルドカラーのフィガロを見つけた。中古車検索サイトに掲載されていた通り、プライスプレートには89.5万円とある。予算内だ。パッと見のボディ外装は綺麗なので、この個体なら悪くないかもしれない。

ネット情報を見て、フィガロの現車確認をしたくて来店したことを店内受付で伝え、しばし待つ。20代半ばであろう店舗スタッフさんが現車まで案内してくれたのだが、いきなりショックを受けた。 ドアミラーに蜘蛛の巣が…。中古車の展示販売では当たり前のことなのか? 聞けば、3ヶ月ほど前から展示されているという。

◆29年前のクルマは基本的にボロボロ

気持ちを落ち着けて、レンタカーを借りるときと同じように、車両のまわりをぐるっと一周し、ボディ全体のキズやヘコミをじっくりチェック。経年劣化ゆえだろう、ワイパーやホイールの塗装はすっかり剥げていた。ヘコミやキズを見つけるのも簡単だった。幌は縮んでいるようだし、バックパネルはカビやサビもある。

エンジンルームは、筆者が見たところで、良し悪しはまったくわからないのだが一応見ておきたかったのと、幌がちゃんと開くのか知りたかったので、店舗スタッフさんにお願いした。

すると、幌どころか、ボンネットの開け方もわからないようで四苦八苦している…。フィガロのことを知らないのだ。

一度だけだがフィガロを運転した経験がある筆者は、店舗スタッフさんにその旨を伝え、自ら操作させて頂きエンジンルームを確認。ひどく汚れている感じではなかったが、サビは目についた。この状態でエンジンはかかるのか? 安全に走行できるのか? 素人目にはまったくわからない。不安しかない。

内装は、シートやハンドルはわりと綺麗だったが、サイドブレーキがひどかった。経年劣化が原因だろう、すが入ったような状態だった。インテリアパネル全体はそれなりに綺麗に見えたが、触れるとベタベタする。車内の壁面もベタついていた。オーディオを見ると、パーツの一部が失われているなど、見過ごせない残念な部分が多すぎた。最後に、ちゃんとオープンにできるのか操作してみたが、無反応。錆びて故障しているのか、幌は開かなかった。

◆予算100万円で、手に入れるのは無理…

100万円の予算内に収まる、89.5万円のフィガロ。1991年に生産販売された約29年前の中古車なのだから、経年劣化によるサビや、各所にキズやヘコミがあるのは致し方ないとして。この個体を購入し、すぐに走行できるとは思えない…。安全・安心に走れる状態にしっかり仕上げてくれる整備工場にお願いする場合、費用は少なく見積もっても20~30万円ぐらいは必要だろうか? キズやヘコミも多少は直したいので鈑金塗装の費用もかかる。幌も傷んでいたから交換したいし、内装も少しはキレイにしたい。そうなると、もう費用は…。

ローンを組むのは当然として、車両代とは別に、車検代や駐車場代など費用がかさむので、車両価格は200万円以下に抑えないと(筆者の財布事情的に)購入は無理だ。まともに走れるそこそこキレイなフィガロを100万円ぐらいで購入したいと思った筆者が甘すぎた、ということだろう。中古車販売店の屋外に展示され続けている現車をじっくり確認し、ちょっと旧車なフィガロのリアルを思い知らされた。

その数日後に2店舗、電車で行ける範囲内にある中古車販売店に足を運び、フィガロの現車確認を続けた。このうち1店舗は10台近くフィガロがあったのだが、素人目に見ても、購入後すぐ乗れそうな個体はなかったように感じた。実際、店舗スタッフの方からも「エンジンの整備は絶対必要ですよ。外装や内装もキレイにしたいなら、それ相応の費用はかかります」とはっきり言われた。

地道にジリジリと、中古車展示販売店に足を運んで現車確認したことの学びは多かった。しかし、くたびれきった状態の悪いフィガロを見るたびショックを受け、気持ちが沈む。フィガロの姿が痛々しくて、無性に悲しくなった。「これ以上、ボロボロなフィガロを見るのはつらい…。状態の良い個体を見つけるのは、無理かも」と心底意気消沈。フィガロ探しを決意して、わずか2ヶ月ちょっとしか経っていないのに、もう先が見えない。

だけど、あと、1店舗だけ。筆者が電車で片道2時間以内で行ける範囲で、フィガロの購入とリフレッシュを相談してみたい自動車プロショップが、横浜にあった。意を決し、筆者は日産パオ&フィガロ専門店「オレンジロード」さんに電話をかけた。

>>>>【良い個体は見つかるのか?】続きは、次回『日産フィガロ・酔狂 愛車日記03』にて

「ちょっと旧車」なクルマの経年劣化に絶句【日産フィガロ 酔狂 愛車日記 02】

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

この記事はいかがでしたか?

ピックアップ