ブガッティシロンにコーナリングマシン、「ピュルスポール」…ワインディングでテスト[動画]

エアロダイナミクス性能を高める専用デザイン

ワインディングロードで本領を発揮する足回り

8.0リットルW16気筒+4ターボは1500hp

テストの舞台はピュルスポールに理想的なワインディング

ブガッティ・シロン ・ピュルスポール
ブガッティ・シロン ・ピュルスポール全 13 枚

ブガッティは1月19日、『シロン・ピュルスポール』(Bugatti Chiron Pur Sport)を、ブガッティのテストドライバーでルマン24時間耐久レースを制した経歴を持つアンディ・ウォレス氏がテストした際の映像を公開した。

シロン・ピュルスポールは、『シロン』をベースに、コーナリング性能を引き上げることに重点を置いて開発された。世界限定60台が生産される予定で、価格は300万ユーロ(約3億7785万円)だ。

エアロダイナミクス性能を高める専用デザイン

シロン・ピュルスポールでは、エアロダイナミクス性能を高める専用デザインを採用する。フロントには、ワイド化された吸気口と、専用グリルを装着した。フロントリップスポイラーは、前方に突き出た専用デザインで、最大のダウンフォースを生み出すという。

リアには、車両の幅方向に1900mmの固定式大型ウイングを装着し、ダウンフォースを高めた。専用のディフューザーも装備される。角度の付いたウイングマウントは、リアバンパーとともに、大きなX字を形成する。3Dプリントされたチタン製の軽量エグゾーストパイプが採用された。ベース車両の格納式リアスポイラーの油圧コンポーネントを廃止することにより、10kgの軽量化を果たしている。

オプションのエアロウィングを備えたマグネシウム製の軽量ホイールは、1本あたり4kg軽い。ホイール周辺の空気の流れを最適化し、エアロダイナミクスも向上させる。ホイール4本で重量を合計16kg削減することにより、バネ下重量も減少させた。

インテリアは、アルカンターラを多くの部分に使う。専用のパターンが、アルカンターラ張りのドアトリムパネルにレーザー加工されている。ステアリングホイールもアルカンターラ仕上げで、グリップを追求する。シートは、サイドのサポート性を引き上げた。すべてのトリムパネルとコントロールスイッチは、黒色の陽極酸化アルミまたはチタンで作られている。各部にクロスステッチをあしらう。ステアリングホイールの12時の位置には、青いハイライトが追加されている。

ワインディングロードで本領を発揮する足回り

ブガッティは、とくにワインディングロードで本領を発揮するシャシーとサスペンションを、シロン・ピュアスポーツ向けに開発している。快適性を犠牲にすることなく、フロントに65%硬いスプリング、リアに33%硬いスプリングを採用した。アダプティブダンピングのコントロール、キャンバー値の変更(マイナス2.5度)により、さらにダイナミックなハンドリングを追求している。

フロントとリアのカーボンファイバー製スタビライザーは、さらにロールを最小限に抑える。ばね下重量は、19kg軽量化された。この19kgは、16kgにおよぶ車輪の軽量化に加えて、チタン製ブレーキパッドのベースパネルによる2kgの軽量化、ブレーキディスクの1kgの軽量化を合計したものだ。また、シャシー、サスペンション、ボディの接合部分の剛性を、フロントで130%、リアで77%強化することにより、路面への接地性を向上させている。

タイヤは、ミシュランが新開発した高性能タイヤ「スポーツカップ 2 R」だ。フロントが285/30R20、リアが355/25R21サイズを履く。新素材のコンパウンドのおかげで、高いコーナリングスピードでも優れたグリップ力を発揮するという。

8.0リットルW16気筒+4ターボは1500hp

ミッドシップには、2ステージターボ化された8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンを搭載する。最大出力は1500hpと変わらないが、発生回転数は6700rpmから6900rpmへ、200rpm引き上げられた。最大トルクは、163kgm/2000~6000rpmと変わらない。

7速デュアルクラッチの「DSG」は、全体のギア比を15%クロスレシオ化した。駆動方式は4WDだ。ブガッティによると、60~120km/hの中間加速は、ベース車両に対して3秒短縮しているという。最高速は350km/hでリミッターが作動する。

4種類のドライブモードに加えて、「スポーツ+」モードが採用された。通常のスポーツモードよりも、サーキット寄りの設定となっており、高速コーナーでもドリフトできる理想的なラインを走行できるという。

テストの舞台はピュルスポールに理想的なワインディング

ブガッティは、このシロン・ピュルスポールを、ブガッティのテストドライバーで、1988年にルマン24時間耐久レースを制した経歴を持つアンディ・ウォレス氏がテストした際の映像を公開した。

テストの舞台には、中東ドバイの中心部から約100km離れたオマーンとの国境にあるハジャル山地のワインディングロードが選ばれた。ブガッティによると、シロン・ピュルスポールにとって理想的な場所だという。

テスト車両は、車体の上側がイエロー、下側がブラックのツートンで、下側はカーボンファイバー素材が見えるデザインとした。リアウィング、ホイール、ラジエーター、エアインテークもブラックで仕上げられた。

ブガッティのエンジニアは、横方向のダイナミクスに妥協することなく、シロン・ピュルスポールを開発したという。これにより、最大の敏捷性やハンドリングが得られ、高速コーナリングに最適、としている。

《森脇稔》

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