トライアンフ史上最強のパワー、新型ネイキッド『スピードトリプル1200RS』発表

トライアンフ スピードトリプル1200RS
トライアンフ スピードトリプル1200RS全 32 枚
トライアンフモーターサイクルズジャパンは26日、新型スポーツネイキッド『スピードトリプル1200RS』を発表した。すでに予約受付を開始しており、正規販売店を通じて4月上旬の発売を予定している。

このモデルは、1050ccの水冷3気筒エンジンを持つ『スピードトリプルRS』の後継機種となる。エンジンは完全に刷新された新規ユニットで、排気量は1160ccに拡大。それによって大きく向上したのが最高出力で、150ps/10500rpmだった従来ユニットに対して、180ps/10750rpmをマーク。トルクは8Nm増の125Nm/9000rpmとなった他、レブリミットも650rpm引き上げられるなど、全域に渡って力強さがアップしている。

結果、トライアンフ史上最強のパワーになったわけだが、それを制御するのが各種電子デバイスだ。6軸IMU(慣性計測装置)を搭載し、走行中の車体姿勢と加速度を随時検知。その情報がトラクションコントロール、ウィリーコントロール、コーナリングABSの介入度に反映されていく。


また、それらを一括管理しているのが、ライディングモードだ。これには、レイン/ロード/スポーツ/トラック/ライダーの5パターンがあり、スロットルレスポンスと出力とも連動。ライダーのスキルや路面状況に応じて切り換えられ、自分好みのエンジンキャラクターを選択、あるいはカスタムすることが可能だ。

また、従来モデルには採用されなかったクイックシフター(ギアのアップにもダウンにも対応)やクルーズコントロールが標準装備となり、よりイージーな走行に貢献している。

足まわりは、パワーに見合うハイブランドパーツで固められている。サスペンションには前後オーリンズを採用。NIX30倒立フォークとTTX36モノショックが組み合わせられ、いずれもプリロード、リバウンドダンパー、コンプレッションダンパーの調整ができる。

ブレーキはブレンボだ。フロントにはモノブロックキャリパー・Stylemaを選択。新デザインのアルミ鋳造ホイールには、メッツラーのハイグリップタイヤ・レーステックRRが装着され、強大なパワーを路面に伝える。


メーターの視認性やスイッチ類の操作性は、トライアンフが得意とするところだが、新デザインの5インチTFTフルカラーディスプレイによって、さらに進化しているのは間違いない。なにより注目は、My Triumphコネクティビティシステムが標準装備されたところだ。

これはディスプレイとスマートフォンが連動し、ナビの表示、通話、音楽の再生、GoProの操作が可能になるインターフェイスだ。利便性はもちろん、例えばツーリング中のエンターテインメント性を大きく広げてくれるに違いない。


エンジンの排気量拡大、各種機能の追加、排ガス規制への対応といったあらゆる要素を盛り込みながら、車重は198kgに抑えられている。この数値は従来モデルより10kgも軽く、ハンドリングをスポイルするどころか、より俊敏鋭なものになっているはずだ。

新型スピードトリプル1200RSは、サファイアブラックとマットシルバーアイスの計2色を設定。価格は、199万9000円となる。

《伊丹孝裕》

モーターサイクルジャーナリスト 伊丹孝裕

モーターサイクルジャーナリスト 1971年京都生まれ。1998年にネコ・パブリッシングへ入社。2005年、同社発刊の2輪専門誌『クラブマン』の編集長に就任し、2007年に退社。以後、フリーランスのライターとして、2輪と4輪媒体を中心に執筆を行っている。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム、鈴鹿8時間耐久ロードレースといった国内外のレースに参戦。サーキット走行会や試乗会ではインストラクターも務めている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 顔が激変! BMWの最小SUV『X1』改良新型、ノイエクラッセ導入へ…プロトタイプを初スクープ
  3. 【プジョー 3008 新型試乗】全身鋼のような硬さに満ち溢れる。これが新時代のプジョーか…中村孝仁
  4. ホンダ初のフルサイズ電動バイク『WN7』発表、航続130km…2026年欧州発売へ
  5. プレミア化は必至!?『ランクル』を知り尽くしたトヨタ車体の「ラリー仕様」限定車にSNS歓喜
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る