ピニンファリーナの1900馬力EV、『バッティスタ』…元F1ドライバーが初テスト

0~100km/h加速2秒以内で最高速350km/h

カーボン素材で軽量化

「加速は世界最速のロードカーと別のレベル」

アウトモビリ・ピニンファリーナ・バッティスタ のプロトタイプ
アウトモビリ・ピニンファリーナ・バッティスタ のプロトタイプ全 8 枚

アウトモビリ・ピニンファリーナ(Automobili Pininfarina)は2月3日、EVハイパーカーの『バッティスタ』が、開発ドライバーのニック・ハイドフェルド氏による初テストを行った、と発表した。

アウトモビリ・ピニンファリーナは、イタリアのデザイン工房、ピニンファリーナの親会社であるインドの大手自動車メーカーのマヒンドラ&マヒンドラ(マヒンドラ)が立ち上げた新ブランドだ。その最初の市販車が、EVハイパーカーのバッティスタだ。バッティスタとは、ピニンファリーナの創設者のバッティスタ・ファリーナ(Battista Farina)氏に敬意を表すネーミングとなる。

0~100km/h加速2秒以内で最高速350km/h

EVパワートレインは、4個のモーターを搭載し、合計で最大出力1900hp、最大トルク234.5kgmを引き出す。パワフルなモーターが4輪を駆動し、トルクベクタリング機能も採用した。0~100km/h加速2秒以内、0~300km/h加速12秒以内、最高速350km/hの性能を発揮する。

また、5種類の走行モードが切り替えられる。5 つの走行モードは、「Calma」、「Pura」、「Energica」、「Furiosa」、「Carattere」だ。リチウムイオンバッテリーはセンタートンネルとシート後方に、T字型にレイアウトされ、蓄電容量は120kWh。1回の充電での航続は、およそ450kmの性能を備える。バッテリーは急速充電に対応している。

ブレーキは、カーボンセラミックを使用する。ローター径はフロント、リアともに390mmだ。キャリパーは、フロントが6ピストンとした。リアには、エアブレーキ機能が備わる。

カーボン素材で軽量化

ボディ構造は、フルカーボンファイバー製のモノコックに、カーボンファイバー製ボディパネルを組み合わせる手法で軽量化した。車体の前後はアルミによる構造として、衝突時の衝撃を吸収する。

インテリアデザインは、エレガントさを追求しながら、ドライバーが運転に集中できるインターフェースを取り入れた。ドライバー正面には、小型ディスプレイモニターがレイアウトされ、重要な情報を表示する。

コンパクトなステアリングホイールの両側には、ドライバーに向けた大型ディスプレイモニターを設置したデジタルコックピットを採用する。左側の画面で車両のダイナミクスとパフォーマンスをコントロールし、右側の画面でメディアとナビゲーションを操作する。ピニンファリーナによると、最小限のボタンとスイッチで、ドライバーが車と対話する方法を直感的に作り出しているという。

「加速は世界最速のロードカーと別のレベル」

開発ドライバーのニック・ハイドフェルド氏による初テストをイタリア・ナルドのテクニカルセンターにおいて行った。元F1ドライバーで「フォーミュラE」のレーサーであるニック・ハイドフェルド氏が、バティスタのテストプログラムに専門知識を提供するのが狙いだ。

ハイドフェルド氏は、プロジェクトの開始時から、重要な役割を担ってきた。2019年に、アウトモビリ・ピニンファリーナに設計兼エンジニアとして参加し、プロトタイプのエルゴノミクスに関するフィードバックをもたらした。その後、間もなく、同氏はイタリアのダイナミックス施設のシミュレーターに座って、バッティスタの1900psのダイナミックス設定をサポートする報告書を完成させた。

ニック・ハイドフェルド氏は、豊富なノウハウとモータースポーツでの25年以上にわたる経験を生かして、2021年夏のバッティスタの生産開始に先駆けて、シャシーの設定とソフトウェアの改良などをサポートしている。

テストを終えたハイドフェルド氏は、「バティスタの自然な走行感に驚いた。コーナリングでのコントロール性や速度は素晴らしい。バティスタの加速は、世界最速のロードカーと別のレベル。プロトタイプの乗り心地も期待を超えており、次はサーキットではなく、ワインディングを攻めてみたい」と語っている。

《森脇稔》

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