ロールスロイス ファントム の内装、ハワイの希少樹木でカスタマイズ…博物館に納車

3年をかけてワンオフモデルを完成

最高品質のコアウッドの発見は「100万回に1回のチャンス」

ブルーのボディカラーは1934年製「パッカード12クーペ」と同色

ロールスロイス・ファントム のワンオフモデル「コアファントム」
ロールスロイス・ファントム のワンオフモデル「コアファントム」全 11 枚

ロールスロイスモーターカーズは2月16日、ロールスロイス『ファントム』(Rolls-Royce Phantom)のワンオフモデル『コアファントム』を、米国のJBSコレクションミュージアムに納車した、と発表した。

JBSコレクションミュージアムは、米国インディアナ州エルクハートにある。「JBS」とは、ジャック・ボイド・スミス氏を意味し、JBSコレクションミュージアムには、同氏が収集した60台以上の貴重な自動車コレクションが展示されている。

JBSコレクションミュージアムの自動車コレクションは過去6年間、米国で毎年開催されるクラシックカーの品評会、「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」において、いくつかのベストインクラス賞を受賞している。

3年をかけてワンオフモデルを完成

ロールスロイスファントムのワンオフモデルが、このJBSコレクションミュージアムに納車された。英国のロールスロイスの本拠地には、デザイナー、エンジニア、職人で構成される「ロールスロイス・ビスポーク」部門がある。ロールスロイス・ビスポーク部門は、ジャック・ボイド・スミス氏のビジョンを実現するために、3年をかけてワンオフモデルを完成させた。

ワンオフモデルは、コアファントムと命名された。ハワイの土壌でのみ育つ珍しい樹木「コアウッド」を組み込んだことに由来している。スミス氏夫妻がかつて、ハワイのマウイ島で多くの時間を過ごしたことにインスピレーションを得たという。

コアウッドを使ったロッキングチェアは長年、スミス氏夫妻の自宅に置かれており、コアウッドとのつながりはスミス氏の家族の奥深くに根ざしている。そこでスミス氏は、コアウッドの暖かく親しみやすい雰囲気を、ロールスロイスファントムの車内に持ち込むことを決めた。

最高品質のコアウッドの発見は「100万回に1回のチャンス」

コアウッドはハワイでのみ育ち、ハワイの州立公園と国立公園で保護されている。コアウッドは私有農地からしか収穫できず、特殊な栽培条件が必要なため、非常に限られた資源から、自動車の車内に使えるコアウッドを見つけることは、まれだという。ロールスロイスのウッドスペシャリストは、この発見を「100万回に1回のチャンス」と表現している。

他のブランドでは、一般的に入手可能なコアウッドを使用している。しかし、ロールスロイスの場合、最高品質のコアウッドを求めた。そのため、ロールスロイスのウッドスペシャリストがサプライヤーと交渉した結果、完璧なコアウッドの入手に3年の期間を要したという。

ワンオフモデルに使用されたコアウッドは、ベルベットの効果を生み出す木目とともに、珍しい独特の深みを持つ。ロールスロイス・ビスポーク部門の職人は、コアウッドの豊かな質感の仕上げを、ファントムのインテリアで維持するという課題に取り組んだ。なお、コアウッドは、ハンドメイドの「ピクニックセット」にも用いられている。

ブルーのボディカラーは1934年製「パッカード12クーペ」と同色

ドアを開けると、パーソナライズされたトレッドプレートに、「Laura&Jack Boyd Smith Jrのために英国グッドウッドでハンドメイド」と記されている。車内は、ネイビーブルーのハイライトとパイピングでオフセットされたダブグレーレザーを使用した。ルーフライナーには、ネイビーブルーのレザーに1420個の光ファイバーライトを組み込んだ特注の「スターライトヘッドライナー」が、スミス氏の生年月日におけるオハイオ州クリーブランドの夜空の星座を描き出している。

ヘッドレストの「ロールスロイス・モノグラム」は外装の仕上げにマッチし、リアのコンパートメントにはシャンパンクーラーが内蔵された。スミス氏のイニシャルが刻印されたクリスタルシャンパンフルートとデカンターのペアが付いている。

エクステリアは、オーダーメイドの「パッカードブルー」で塗装された。これは、スミス氏の自動車コレクションの1台、1934年製の『パッカード12クーペ』と同色だ。80年前の塗装に完全に一致するものを作成することは困難だったが、40以上のパネルでテストして、完全に一致する塗装を完成させた。ダブグレーのエレガントな手描きのコーチラインは、ホイールセンターのピンストライプとコーディネート。運転席のドアにはスミス氏のイニシャル「JBSJr」、助手席のドアにはスミス夫人のイニシャル「LAS」が添えられている。

《森脇稔》

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