【オートモビルカウンシル2021】「510ブルーバード」など国産ラリーカー6台の追加特別展示が決定

ダットサン・ブルーバード1600SSS(1970年)
ダットサン・ブルーバード1600SSS(1970年)全 6 枚

4月9日から11日の3日間、幕張メッセ(千葉市)で開催される「オートモビルカウンシル2021」。主催者テーマ展示の第2弾「時代を進めたラリーカーの戦闘美」として、日産4台、スバル2台の追加出展が決定した。

今回のオートモビルカウンシルでは、主催者テーマ展示「時代を進めたラリーカーの戦闘美」を開催し、ランチアのチャンピオンマシーン達を紹介。ランチア『フルヴィア・クーペ1.6HF』、ランチア『ストラトスHF Gr.4』、ランチア『ラリー037エボリューション2』、フィアット『アバルト131ラリー』の4台を展示する。

第2弾「時代を進めたラリーカーの戦闘美-2」では、『ダットサン・ブルーバード1600SSS(1970年)』、『ダットサン 240Z(1972年)』、『ダットサン・バイオレットGT(1982年)』、『ニッサン 240RS(1982年)』、『スバル・インプレッサ 555 WRC(1998年)』、『スバル・インプレッサ WRC(2008年)』の6台を追加展示する。

ダットサン・ブルーバード1600SSS(1970年)

ダットサン 240Z(1972年)ダットサン 240Z(1972年)

日本に真の意味でスポーツセダンを根付かせた立役者がP510型ブルーバードだった。SSS はスーパースポーツセダンの略。1.6リットルSOHCツインキャブ4気筒、ストラット/セミトレーリングアームの4輪独立懸架は当時としては異例に高度な設計で「技術の日産」の面目躍如だった。1970年東アフリカ・サファリラリーは、スタート8時間後から激しい雨に見舞われ、最悪のコンディションとなったが、泥沼と洪水の中ワークスブルーバードは逆に活気づき、総合1、2、4位でフィニッシュ。オーバーオール・ウィンに加えクラス/チームの3冠完全制覇を日本車として初めて達成した。今回展示されるのは、総距離5432km、全区間を通じてのアベレージが98.7km/hと高速に設定されたそのサファリラリーのフィニッシュラインに真っ先に駆け込んできたウイニングカーそのものだ。

ダットサン 240Z(1972年)

ダットサン・バイオレットGT(1982年)ダットサン・バイオレットGT(1982年)

サファリラリーで活躍したフェアレディZは、雪と氷のモンテカルロラリーでも好成績を残した。FFのミニやシトロエンDS、RRのポルシェ911やアルピーヌA110が活躍し、FRは不利と言われていた時代。名手ラウノ・アールトネン/ジャン・トッド組によって72年の同イベントで、ジェラール・ラルース操るポルシェ911を激しく追い上げ、3位に入賞したのがこの240Zだ。SOHC直6 2.4は220ps/7200rpmを発揮。日産の、ひいては日本車の高性能イメージを世界に轟かせた傑作といえる。ちなみにアールトネンは誰よりもテールを大きくスライドさせたドライビングを見せたが、ボディにかすり傷ひとつ負わせることなくフィニッシュし、Zのハンドリングの素直さを証明してみせたという。

ダットサン・バイオレットGT(1982年)

ニッサン 240RS(1982年)ニッサン 240RS(1982年)

510ブルーバードや240Zの影に隠れて目立ちづらいが、1979年から82年にかけて、サファリラリーで史上初の4連覇という偉業を達成したのがバイオレットGTだった。優勝クルーはいずれもシェカー・メッタ/マイク・ダウティ組。展示車は82年の総合優勝マシーンで、グループ4チューンの直列4気筒DOHC4バルブエンジンは230ps/245Nmを生んだ。とはいえ順風満帆に過酷なラリーを走り切ったわけではなく、リアアクスルを何度も破損しながら、激しく追い上げるオペルのアールトネン、そしてロール操るオペル・アスコナ・デュオをなんとか振り切って得た勝利だった。特にアールトネンは前年ダットサンチームに属し、チームメイトのメッタと最後まで首位争いを演じた因縁のライバル。まさに死闘と呼ぶに相応しい戦いだった

ニッサン 240RS(1982年)

スバル・インプレッサ 555 WRC(1998年)スバル・インプレッサ 555 WRC(1998年)

S110型3代目シルビアをベースに、日産が生んだグループBモンスターがこの240RSだ。WRCデビューは1983年モンテカルロ。FJ24型直列4気筒DOHC 2340ccエンジンは、NAゆえ最高出力は275psに過ぎず、スーパーチャージャーで武装し、同ラリーを制したランチア・ラリー037の305psには及ばなかったが、「エクストラドライ」と称されたコンディションにも助けられ、FRレイアウトというコンベンショナルな設計であるにも関わらず、韋駄天サロネンのドライブで総合14位に食い込むという侮り難い実力を見せた。実際同年のニュージーランド・ラリーでは2位、85年のサファリでは3位に入賞する等、ポテンシャルは高かった。今回の展示車は日産名車再生クラブにより、モンテデビュー時の姿にレストアされたレプリカだ。

スバル・インプレッサ 555 WRC(1998年)

スバル・インプレッサ WRC(2008年)スバル・インプレッサ WRC(2008年)

ボクサー4気筒エンジンとフルタイム4WD。スバルが長く培ってきたコア技術で、一時期WRCを席巻していたのがインプレッサだ。今回展示されるのは1998年のサンレモラリー出場車。コリン・マクレー、ピエロ・リアッティに託されたワークスカーが2位、3位に入賞した際の1台だ。この年マクレーは第4戦ポルトガル、第6戦ツール・ド・コルス、第8戦アクロポリスで勝ち、ドライバーズ/メイクス両選手権をリードしたものの、その後ランサー・エボリューションを駆るマキネンに3連勝を許し、前年まで3年連続で守ってきたマニュファクチュアラーズ・タイトルの防衛を逃した。とはいえ最終戦では電子制御セミATを導入する等、次シーズンに向けた開発に用いられたことも事実だった。

スバル・インプレッサ WRC(2008年)

2005年以来勝利から遠ざかっていたスバルが、希望を託して2008年シーズン途中のアクロポリスから投入したのが「S14」というコードネームで呼ばれたハッチバックのインプレッサ・ワールドラリーカーだ。エンジン以外はすべて刷新されたと言って良く、大型化されたボディはダウンフォースを向上させコーナリングスピードの増加に寄与、ロングホイールベース化はスタビリティ改善に結びついた。トランスミッションもサスペンションも新設計。S12B型で悩まされ続けたダンパーにも大幅な改良が施された。その甲斐あってエースのペター・ソルベルクはS14のデビュー戦でいきなり2位に入賞。1年ぶりに表彰台に立ったほか、クリス・アトキンソンは最終日に最速ステージタイムを記録する等、高い戦闘力をいきなり見せつけた。

《纐纈敏也@DAYS》

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