MINIのEV、フォーミュラEのペースカーに…将来市販の高性能版「JCW」を示唆

モーターの最大トルクを1kgmプラスの28.5kgmに

JCWらしいスポーティなエクステリア

3方向に調整可能なレーシングサスペンション

MINI エレクトリック・ペースセッター
MINI エレクトリック・ペースセッター全 21 枚

MINIは3月30日、MINI『ハッチバック』のEVをベースにした「フォーミュラE」のペースカー、MINI『エレクトリック・ペースセッター』を発表した。

MINIは2020年12月、高性能な「ジョンクーパーワークス」(JCW)モデル初となるEVを開発していると発表した。MINIの3ドアハッチバックには、ブランド初の量産EVとして、「クーパーSE」がある。JCWのEVは、このクーパーSEをベースに開発されている。

MINIエレクトリック・ペースセッターは、MINIハッチバックのEV、クーパーSEがベースだ。MINIエレクトリック・ペースセッターは、将来市販予定の高性能バージョン、JCWを示唆しているという。

クーパーSEでは、電気モーターがフロントのボンネット内に搭載され、パワーエレクトロニクスやトランスミッションと一体のコンパクト設計とした。最大出力は184hp、最大トルクは27.5kgmを引き出す。0~60km/h加速は3.9秒、0~100km/h加速は7.3秒の性能を発揮する。最高速はリミッターにより、150km/hに制限される。

モーターの最大トルクを1kgmプラスの28.5kgmに

MINIエレクトリック・ペースセッターでは、モーターの184hpのパワーはそのままに、最大トルクを27.5kgm から28.5kgm に1kgm引き上げた。これにより、0~60km/h加速は3.9秒から3.6秒に、0~100km/h加速は7.3秒から6.7秒に、それぞれ短縮。80~120km/hの中間加速も、4.3秒に短縮している。

インテリアはペースカーに必要な装備だけが残された。後席は取り外された。そのうえで、6ポイントベルト付きのバケットシート、カーボンファイバー製ステアリングホイール、デジタルインストルメントクラスターが装備された。センターインフォメーションディスプレイは、カーボンファイバー製カバーを使用して、軽量化が図られている。

センターコンソールには、ギアシフトレバー、ハンドブレーキ、フラッシュライトのコントロールスイッチなどが配置される。簡素化されたカーボンファイバー製ドアパネルには、ドアを簡単に閉じることができるように、布製ストラップが付く。ロールケージも装着されている。

JCWらしいスポーティなエクステリア

エクステリアは、ワイドなタイヤを収めるために、ホイールアーチを拡幅した。専用のフロントバンパーには、リップスポイラーが付く。フロントグリルはオレンジで仕上げられ、イエローのプラグが描かれた。グリルの下には、ブレーキ冷却用の四角い開口部が追加される。セーフティカーに必要な白いフラッシュライトも装備した。ボンネットからルーフ、リアエンドには、ストライプがあしらわれた。

ボディサイドには、幾何学模様入りのスパッツとサイドスカート、軽量な18インチ鍛造ホイールを装着した。このスパッツとスポイラーは英国オックスフォードで作られており、リサイクルされたカーボンファイバーから3Dプリントされている。ボディカラーは、マットシルバーを基調に、ハイスピードオレンジとカーブサイドレッドの2段階のカラーグラデーションが施された。チェッカーフラッグにインスパイアされたパターンも配されている。

リアには、エアスルーフローと黄色のアクセントを備えた大型のルーフマウントリアウィングを装備した。このリアウィングには、フラッシュライトが組み込まれる。これも、オックスフォードで3Dプリントされた。リアバンパーにはダクトが設けられ、レーシングタイヤが見える設計とした。ディフューザーも装備されている。

3方向に調整可能なレーシングサスペンション

足回りには、リバウンド、コンプレッション、高さ、キャンバーを3方向に調整可能なレーシングサスペンションを装着した。レース仕様のサスペンションコントロールアームマウンティングの採用、トレッドの10mm拡幅に加えて、MINI『ジョンクーパーワークスGP』用の4ピストンブレーキを移植した。タイヤはミシュラン「パイロットスポーツ」。245/40R18サイズのタイヤは、フォーミュラEのレーシングカーのフロントに装着されているのと同サイズという。

なお、MINIエレクトリック・ペースセッターは4月10日、イタリア・ローマで開催されるフォーミュラEのレース3で、デビューする予定、としている。

《森脇稔》

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