ナッツRV「ハイパーEVO」は走行4時間で満充電…ジャパンキャンピングカーショー2021

ハイパーEVOのシステムを搭載したクレア
ハイパーEVOのシステムを搭載したクレア全 14 枚

日本最大級のキャンピングカー製造メーカーであるナッツRVは、今年2月の名古屋キャンピングカーショーで発表した最新のサブバッテリー充電システム「Hyper Evolution System(ハイパーEVO)」を紹介した。

【画像全14枚】

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの採用で安全性と高い充放電特性を両立

同社ではこれまで充電システムに鉛バッテリーを使う「Evolution System」を採用していたが、バッテリーの特性上、長時間利用に対する課題を抱えていた。「ハイパーEVO」はそんな課題を解決するために開発されたもので、バッテリーをリチウムイオンバッテリーへと変更。その上でこのバッテリーの能力を最大限に引き出すために新たに管理モジュールを開発した。それがハイパワーEVOである。

そのポイントは大きく4つある。

一つ目のポイントは、大容量100Ahリチウムイオンバッテリーを4個搭載して、それを約4時間の走行でバッテリーを満充電できることだ。これは「ラピードモード」と呼ばれるモードによって可能になるもので、その基本は昇圧充電を行うことで実現している。これによって走行中だけでなくアイドリング時でも高効率な充電制御を可能としたのだ。これは電力消費の多い時期や短時間で充電したい時に役立つ。

二つ目のポイントは、バッテリーの充電を優しくいたわって充電する「ケアモード」の搭載だ。リチウムイオンバッテリーは使用時に100%充電しても問題はないが、保管時には昇圧による充電を中止して、最大80%まで充電とすることでバッテリーの長寿命化に貢献する。さらにインバーター充電モードを使用することでバッテリーを痛めにくく、バッテリー特性に最適な“いたわり充電”が可能となる。急速充電のラピードモードとは車内のスイッチ一つで切り替えられる扱いやすさも見逃せない。

三つ目はスマホで使われるバッテリーとは違い、同じリチウムイオンバッテリーでも非常に安定した結晶構造を持つ「リン酸鉄」型使っていることだ。これが熱暴走による発熱や発火の危険性を低くして安全向上につなげている。一方でこのタイプはバッテリーの小型化には不向きとされるが、その分だけ安全マージンを十分取ることにもつながった。バッテリー自体は中国製とのことだが、トータルでの安全性はスマホ以上だという。

四つ目がリチウムイオンバッテリーの採用により、バッテリーの長寿命化と軽量化を達成できたことだ。充放電の繰り返しは鉛バッテリーの350回に対して、リチウムイオンバッテリーは2000回を実現。しかも重量は1個あたり13kgと鉛バッテリーの約半分で済む。これはシステム全体の軽量化に貢献し、当然ながら燃費にも好結果を生む。

「ケアモード」を搭載したことでバッテリーの長寿命化にも貢献

一般的にキャンピングカーで出掛ける際は、外部からの100V電源によってサブバッテリーを満充電しておき、それを1日目の電源として使う。しかし、問題はその後。走行によって充電は行えるものの、満充電となるまでは相当の距離を走らなければならない。

システムについてナッツ営業統括部品質管理課の舛見純也氏は、「ハイパーEVOなら通常走行で120A以上の充電を行うため、4時間も走れば満充電になる。しかもアイドリングであっても60A程度での充電を行える。これは他のシステムではあり得ない能力だ」と話す。

ただ、「この状態を頻繁に行えば当然ながらバッテリーの負担は大きくなり寿命に影響を与えてしまう。そこで、急速充電を必要としない時にはケアモードを使う」(舛見氏)のだ。このハイパーEVOの注目度は高く、舛見氏によれば、「2月発表以来、問い合わせを多くいただいた。現状でハイパーEVOの出荷は始まってはいないが、既に受注は受け付けており、完成車ができ次第、順次納車されていく見込み」だという。

ちなみに価格をクレア&スティングのベーシックモデル「5.0X」の2WD、AT、ガソリンで比較すると、従来のエボリューション搭載車が799万1500円で、ハイパーEVO搭載車は887万1500円となり、その差は88万円となる。車両価格の1割強ともなると決して安くはないが、出掛けた先での快適性を考えればそれ以上の魅力的なシステムになるのではないかと思う。

《会田肇》

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