名車 MGB の再来狙うEVオープンスポーツ、MG『サイバースター』…上海モーターショー2021で提案へ

紆余曲折の末に現在は中国の上海汽車集団の傘下にあるMG

『MGBロードスター』(1962~1980年)から多くのスタイリング要素を採用

スイッチ操作で開く「MagicEye」ヘッドライト

最大800kmの航続と0-100km/h加速3秒以下の性能を両立

MG サイバースター
MG サイバースター全 16 枚

英国のMGは4月1日、中国で4月19日に開幕する上海モーターショー2021において、EVスポーツコンセプトカー、『サイバースター』(MG Cyberster)を初公開すると発表した。

紆余曲折の末に現在は中国の上海汽車集団の傘下にあるMG

英国の名門自動車ブランドとして知られるMGは現在、中国の自動車メーカーの上海汽車集団(SAIC)の傘下にある。もともとは、英国のローバーグループに属していた。

BMWグループは2000年、ローバーブランドを売却した。BMWから同ブランドをわずか10ポンド(当時の日本円で約1660円)で獲得したのは英国の投資家集団、フェニックスコンソーシアムだった。同年、MGローバーとして再出発を切った。

しかし、MGローバー車は基本設計の古さに起因する商品力不足により、販売は低迷した。2005年には上海汽車との業務提携交渉が決裂し、MGローバーは事実上、破綻した。同年、南京汽車がMGローバーの経営権を取得した。

MGローバーとの提携に失敗した上海汽車は、ローバー『75』の商標権と製造ラインを買い取り、中国で2006年から『栄威750』として、生産と販売を開始した。ところが2007年12月、上海汽車が南京汽車を買収した。そのため、MGローバーブランドは、上海汽車の一部門になった。

『MGBロードスター』(1962~1980年)から多くのスタイリング要素を採用

MGは、中国で4月19日に開幕する上海モーターショー2021において、EVスポーツコンセプトカーのサイバースターを初公開する予定だ。2ドア2シーターのEVオープンスポーツカーの提案となる。MGによると、サイバースターはMGの伝統を思い起こさせることを目指しており、MGの名車の『MGBロードスター』(1962~1980年)から、コンバーチブルデザインなど多くのスタイリング要素を取り入れているという。

1924年に「モーリス・ガレージ」(Morris Garages)として英国に設立されたMGは2024年、創業100周年を迎える。この記念日は、古いMGブランドと新しいMGブランドのつながりを披露する絶好の機会になるという。

サイバースターは、英国ロンドンのMGのアドバンストデザインセンターのチームによって開発された。MGは、コンセプトカーのサイバースターで、ブランドの将来のスポーツカーの可能性を追求しながら、ブランドのスポーツカーへの思いを提示しているという。

スイッチ操作で開く「MagicEye」ヘッドライト

MGサイバースターのフロントマスクには、クラシックなラウンドしたMGヘッドライトと、スリムなグリル、スイッチ操作で開く「MagicEye」ヘッドライトを備えている。

ボディサイドには、「レーザーベルト」と呼ばれるLEDストリップを装着した。このLEDストリップに沿うように、サイドドアをデザインしている。2段のショルダーラインがダイナミックなスタンスを強調し、前輪と後輪のボリューム感を際立たせた、と自負する。

リアは、フラットな「カムテール」デザインが特長だ。LEDテールライトは、車両のリアにフラットに組み込まれており、MGの英国の伝統を反映したデジタルイメージを投影しているという。

最大800kmの航続と0-100km/h加速3秒以下の性能を両立

MGサイバースターには、EVパワートレインを搭載している。インテリジェントなフルEVアーキテクチャーによって、1回の充電で最大800kmの航続と、0~100 km/h加速3秒以下のパフォーマンスの両立を狙う。

また、MGサイバースターには、新世代通信規格の「5G」テクノロジーを車載化した。これにより、高速大容量の通信を可能にしている。

なお、MGサイバースターの詳細は4月19日、上海モーターショー2021で明らかにされる予定だ。SAIC(上海汽車集団)デザイン・アドバンスト・ロンドンのCarl Gothamディレクターは、「スポーツカーはMGのDNAの生命線であり、サイバースターはMGにとって、非常にエキサイティングなコンセプトカー」と語っている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  2. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  3. ジープ『チェロキー』新型、新写真からリアデザインが判明
  4. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  5. ジープ『レネゲード』2027年モデルに注目集まる…6月のスクープ記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る