ルネサス社長、「奇跡的に生産の再開にたどり着くことができた」…5月中に100%の生産能力に

ルネサス那珂工場(300mm製造ライン、資料)
ルネサス那珂工場(300mm製造ライン、資料)全 3 枚

ルネサスエレクトロニクスは4月19日、火災で稼働を止めていた那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産再開について、柴田英利社長がオンラインで記者会見を行った。その中で、5月中に火災前の生産能力を回復するとの見通しを示した。

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「国内だけでなく、海外のサプライヤーだったり、生産のパートナー、本当に多くの皆さまから通常では考えられないご支援をいただき、その甲斐があってようやく一昨日、奇跡的に生産の再開にたどり着くことができた」と柴田社長は冒頭の挨拶でまず感謝の弁を述べた。

那珂工場で火災が発生した3月19日、公開された写真を見た多くの人が生産の復旧には長い日数が必要と思っていたが、なんとか1カ月で生産を再開することができた。これも多くの支援があったためというわけだ。なにしろ、自動車メーカーをはじめ、装置メーカー、建設会社などから応援人員は最大で1日に約1600人に上ったそうだ。

その結果、17日に火災発生前対比で10%弱の生産能力で生産を再開することができ、今週中に30%、4月中に50%、そして5月中に100%の生産能力に復帰させる予定だ。ただ、生産品の出荷については遅れる見通しだという。

3月30日の会見時には、火災発生から100日前後のタイミングで火災前の製品出荷量の100%に達する見通しと話していたが、今回の会見で装置の稼働状況などから7~10日程度後ろ倒しになるとの見通しを示した。一方、代替生産については想定よりも前倒しで進んでいて、現状では98%まで改善できる見通しがついたそうだ。

また、火災により焼損した23台の製造装置について、17台は4月中の調達に目処が立ち、1台は5月中に、そして1台は納期の調整を行っているところだという。残り4台の装置については、調達予定の装置が既存装置より能力が増強できるものがあることや代替先での生産目処が立ったことで、当面は不要とのことだ。

出火原因については「根本原因の特定にはまた至っていない」(柴田社長)そうだが、火災対策として、CO2消化器や自動ダンパーをすでに設置。5月には、煙や熱を検知するセンサーの設置を行い、さらに6月にはこれらのセンサーと連動して、CO2消化材を自動放出できる仕組みを導入することにしている。これによって、もし火災が起こったとしても、今回と比べて小さい範囲で延焼を食い止めることができるという。

「オペレーションを元に戻すためには、まだたくさんの仕事が残っていて、それらについては段階的に復旧していく。少しでも早く生産量を元に戻していくことを実現していきたい」と柴田社長は強調。財務的な影響については、今月末に予定している決算発表であらためて説明するとした。前回の3月30日の説明会では、売上高への影響について、175~240億円と試算していることを明らかにしている。

《山田清志》

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