「高輪築堤」の保存方針がまとまる…鉄道開業時の遺構が東京で出土

「3街区」と呼ばれるゾーンに残る橋梁部は「明治時代の錦絵に描かれた当時の風景」がそのまま残っているとして、現地保存されることに。このため、周辺では建物などの計画変更が行なわれる。
「3街区」と呼ばれるゾーンに残る橋梁部は「明治時代の錦絵に描かれた当時の風景」がそのまま残っているとして、現地保存されることに。このため、周辺では建物などの計画変更が行なわれる。全 9 枚

JR東日本は4月21日、国際交流拠点を目指して同社が進めている再開発プロジェクト「品川開発プロジェクト」の第1期エリアで出土した「高輪築堤」について、その調査・保存方針を明らかにした。

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高輪築堤は、1872年10月に開業した新橋(後の汐留)~横浜(現・桜木町)間の鉄道建設時に海上に構築された築堤の一部で、考古学や鉄道史において稀に見る貴重な遺構であることから、その調査や保存のあり方が2020年9月から7回にわたり、有識者による「高輪築堤調査・保存等検討委員会」で協議されてきた。

報道によると、有識者は全部保存、JR東日本は一部保存を主張していたとされていたが、協議の結果、「橋梁部を含む約80メートルおよび公園隣接部約40メートルの2箇所を現地保存とする」「信号機土台部を含む約30メートルを移築保存とする」「記録保存箇所については、詳細かつ慎重な調査を行う」という3点の方針がまとめられた。

JR東日本ではこれらを踏まえて「最新技術を活用して当時の築堤の景観を体験できる展示や、まちづくりの中で連続的に築堤位置を感じられる工夫をすることで、築堤の価値を次世代に継承し、地域の歴史価値向上と地域社会への貢献を目指します」としており、現地保存や公開についての検討を行なうとともに、東京都の港区教育委員会と連携して、考古学や鉄道史、土木史といった分野の知見に基づき記録保存調査を進める方針。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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