VWの新型EV「ID.」シリーズ、新世代バッテリー搭載…航続と急速充電性能を追求

コンパクトEVのID.3の航続は最大549km

電動SUVのID.4の航続は最大522km

高性能電動SUVのID.4 GTXは最大480kmの航続を可能に

フォルクスワーゲン ID.3
フォルクスワーゲン ID.3全 26 枚

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は5月10日、新型EVの「ID.」シリーズに、長い航続と急速充電を可能にする新世代バッテリーを搭載した、と発表した。

コンパクトEVのID.3の航続は最大549km

この新世代バッテリーは『ID.3』『ID.4』『ID.4 GTX』に搭載された。ID.シリーズとして、欧州で最初に発売されたのが、フルコネクテッド機能を備えたコンパクトEVのID.3だ。ロングホイールベースと短いオーバーハングが特長で、内燃エンジンが搭載されていないため、前後アクスルを車両のより外側に配置することを可能にした。

ID.3には、EV専用に新開発された「MEB」(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)車台を使用する。モーターがギアボックスとともにリアアクスルに組み込まれ、後輪を駆動する。モーターからリアアクスルへのパワーの伝達は、1速ギアボックスを介して行われる。

ID.3では、バッテリーが他のコンポーネントとともに、車両のフロア下に効率よく搭載される。バッテリーの蓄電容量は45kWh、58kWh、77kWhの3種類。WLTPサイクルにおいて、45kWh仕様が352km、58kWh仕様が426km 、77kWh仕様が549kmの航続を可能にしている。

充電は、AC(交流)、三相交流、DC(直流)で充電できる。出力100kW の急速充電に対応しており、77kWh仕様のバッテリーは出力125kWで充電できる。

電動SUVのID.4の航続は最大522 km

ID.4はフォルクスワーゲンの新世代EVのID.シリーズの2番目のモデルだ。ID.4は、フォルクスワーゲン初の本格的な電動SUVになる。世界最大の市場セグメントに成長しているコンパクトSUVセグメントに投入するために開発された。

ID.4は、スポーティかつオールラウンドな性能を追求した。リアアクスルに搭載されたモーターは、最大出力204psを引き出す。動力性能は、0~100km/h加速が8.5秒、最高速は160km/hでリミッターが作動する。

バッテリーは蓄電容量が52kWh と77kWhの2種類。1回の充電の航続は、52kWh仕様が最大346km、77kWh仕様が最大522 km(いずれもWLTPサイクル)を可能にする。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。後輪駆動による強力なグリップと210mmの最低地上高により、整備されたオフロードで優れた性能を発揮するという。アルミホイールは、最大で21インチが装着できる。

フォルクスワーゲンは、「We Charge」と名付けた電動車向けの充電サービスを欧州で展開している。ID.4の顧客は、このWe Charge が利用できる。DC急速充電ステーションでは、320km走行するのに必要なバッテリー容量を、約30分で充電することができる。

高性能電動SUVのID.4 GTXは最大480kmの航続を可能に

ID.4 GTXは、電動SUVのID. 4がベース。ID.4 GTXは高性能モデルで、ID.シリーズ初のスポーティEVになる。

フォルクスワーゲングループの新世代EV向け車台MEBをベースに、デュアルモーター4WDを搭載した最初のモデルだ。ID.4 GTXには、ベース車両のID. 4のリアアクスルのモーターに加えて、フロントアクスルにもモーターを搭載する。ツインモーターは合計で、299hpのパワーを引き出す。

駆動方式は、ID.シリーズ初の4WDとなる。299hpのツインモーターとインテリジェントに制御されたAWDの組み合わせにより、ID.4 GTXは、0~100km/h加速6.2秒の性能を発揮する。最高速はリミッターにより、180km/hに制限される。フロントのモーターは、強力なトラクションが必要な場合などに、瞬時に作動する。走行モードの「トラクション」を選択した場合、常時AWDになる。バッテリーは蓄電容量が77kWh。1回の充電の航続は、最大480 km(WLTPサイクル)を可能にしている。

《森脇稔》

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