東急が2023年度までの運賃改定を示唆…2020年度の定期運賃減収が関東大手私鉄で最大に

田園都市線の2020系。2021年度は9編成を増備し8500系を置き換える計画で、2022年度には置換えを完了するとしている。
田園都市線の2020系。2021年度は9編成を増備し8500系を置き換える計画で、2022年度には置換えを完了するとしている。全 2 枚

東急電鉄は5月14日、親会社の東急が5月13日に発表した中期3か年経営計画に基づいた「新・中期事業戦略 “3つの変革・4つの価値”」を発表したが、このなかで2023年度までに運賃改定を実施することを示唆している。

発表によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴なうテレワークなどが定着したことで、2020年度の定期運賃収入は対前年度比で31.5%減少。定期外を含む運賃収入も30.9%減少し、165億円の損失を計上したという。

この減少率は、東武鉄道、西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道といった他の関東私鉄大手7社と比較して最大としている。

これにより、駅の改良や軌道横の法面補強、ホーム上家の延伸といった工事の先送りを余儀なくされているが、東急電鉄では、事業継続へ向けて、東横線へのワンマン運転導入や新卒採用の一部停止、広告宣伝費の抑制などのコスト削減に努めるとしている。

現在は6両編成で運行されている目黒線の3020系。同線の8両化は2022年度上期を予定しており、2021年度はホームドアを2両分追加する工事が実施される。現在は6両編成で運行されている目黒線の3020系。同線の8両化は2022年度上期を予定しており、2021年度はホームドアを2両分追加する工事が実施される。

しかし、2022年度には目黒線の8両化や田園都市線の全面2020系化、相鉄・東急直通線の一翼を担う東急新横浜線(新横浜~新綱島~日吉)の開業などが予定されていることから収支の抜本的な改善は難しい状況で、「お客さまの負担増を極力抑えた形での運賃改定についても検討し持続的な鉄道事業を目指す」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  2. 空力とエンジン性能を高める“穴”の真相~カスタムHOW TO~
  3. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  4. EV戦略の“怪”、世界的には「失速」、国内は充電設備1年間で「3割増」[新聞ウォッチ]
  5. ポルシェ『カイエンGTS』改良新型、日本での予約を開始---価格は1868万から
  6. 「何にでもなれる自由な存在」グランドクロスオーバー、スズキ『GSX-S1000GX』の凄みとはPR
  7. ホンダの新型SUV『WR-V』、発売1か月で1万3000台を受注…月販計画の4倍超
  8. アントレックスが折りたたみ電動スクーター『MK114』発売へ、軽自動車にも積載可能
  9. ロイヤルエンフィールド INT 650 発売、価格は94万7100円より…ブラックアウトの「DARK」を新設定
  10. 自動運転「レベル4~5」は実現しない? 国際学会が自動運転技術に警鐘
ランキングをもっと見る