ボルグワーナーの電動ターボ、初の高電圧ハイブリッド車向け…2023年から欧州車に搭載へ

ボルグワーナーの電動ターボ「eTurbo」
ボルグワーナーの電動ターボ「eTurbo」全 1 枚

ボルグワーナー(Borgwarner)は5月18日、高電圧ハイブリッド乗用車向けに、電動ターボの「eTurbo」を供給する契約を、欧州の大手自動車メーカーと締結した、と発表した。

ボルグワーナーの電動ターボチャージャー技術は、エンジン効率や性能の向上に貢献すると同時に、厳しくなる排出ガス規制への対応を可能にする。ボルグワーナーの電動アシストターボチャージャーを、高電圧ハイブリッド車に採用するのは、今回が初めてという。

eTurboの構造は、機械式ターボチャージャーをベースにしており、シャフトに高速電気モーターが直結されている。顧客は、一体型または半一体型のパワーエレクトロニクスが選択できる。ボルグワーナーのeTurboの利点は、通常のターボチャージャーに加えて、電動アシストによって過給応答性が向上する点にある。過渡領域での過給レスポンスが200%以上速くなり、トルクの立ち上がりの応答時間が50%短縮されるため、ターボラグがほぼなくなり、エンジンのダウンサイジングをさらに推し進めることが可能になるという。

この電動ターボチャージャーは、とくにミラーサイクルエンジンに適しており、性能を損なうことなく、燃費の向上と排出ガスの低減を同時に実現できる、と自負する。ボルグワーナーのeTurboは発電機としても機能し、余った排気エネルギーを回生することにより、電気エネルギーに変換することができる。得られた電気エネルギーは、補機類の電源やバッテリーの充電に使用できるため、より小型のバッテリーを採用することも可能になる。

この過給技術のさらなる利点としてあげられるのが、排気の後処理制御と空燃比の正確な制御を通じて、排気ガス低減が可能な点。eTurboは、背圧を上げて排出ガスを低減する機能を備えているため、オンデマンドの排気再循環(EGR)の採用にも適しているという。

なお、ボルグワーナーの電動ターボチャージャーを搭載した高電圧ハイブリッド車の生産は、2023年9月に開始される予定、としている。

《森脇稔》

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