「廃車のテールライトを再びテールライトに」アクリル樹脂の水平リサイクル実証実験開始へ

水平リサイクル実証実験フロー概要
水平リサイクル実証実験フロー概要全 2 枚

ホンダと三菱ケミカル、北海道自動車処理協同組合(北自協)の3者は共同し、使用済み自動車(ELV)から回収したアクリル樹脂の水平リサイクル実証実験を2021年8月に開始すると発表した。

これまでアクリル樹脂のリサイクルは、分別回収や技術的難度の高さから、焼却時に発生する熱エネルギーを回収・利用することにとどまっていた。今回取り組む水平リサイクルは、使用済みの製品から回収した材料を高度なリサイクル技術でバージン材と同等の性能・品質のリサイクル材に転換し、同一種類の製品を製造するもの。このシステムが確立すれば、一例としてはELVから回収したテールライトから再度テールライトを製造することが可能となり、アクリル樹脂製造・廃棄時のCO2排出量削減にも寄与する。

実証実験では、北自協の各加盟事業者がELVから材料を回収・粉砕。三菱ケミカルが粉砕品を樹脂の原料となる分子状態に戻すモノマー化、そのモノマーを繰り返し結合(重合)することで生成する高分子化合物(樹脂)を製造するポリマー重合の検証を行う。ホンダは、回収要件の設定、回収輸送、粉砕品の品質確認および全体管理を担う。

3者はこの実証を通じ、異物が混入しない回収手法、バージン材同等の品質達成技術、ELVから回収される樹脂粉砕品の高効率輸送スキームなどを確立させた上で事業性検証を行い、水平リサイクルスキームの構築を目指す。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  2. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  3. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  4. カワサキ『Ninja ZX-25RR』を日本初導入、価格は105万2700円 スタンダード版「25R」は廃止
  5. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る