【VW T-Roc 新型試乗】導入時よりも“こなれた”クルマに…島崎七生人

VW T-Roc TDI Style Design Package
VW T-Roc TDI Style Design Package全 11 枚

なるほど同時に乗り較べてよくわかったのだが、ボディサイズの関係性だけでなく『ティグアン』よりもスポーティかつ軽快で『T-Cross(Tクロス)』よりも上質感が味わえるのが、2車の中間に位置づけられるこの『T-Roc(Tロック)』という訳だ。

試乗車は「TDI Style Design Package」で、実は導入時にこのレスポンス試乗記でもレポートしたモデルとはボディ色まで同一のグレードだった。

VW T-Roc TDI Style Design PackageVW T-Roc TDI Style Design Package
本来であれば新導入された1.5リットルガソリンエンジンを試したいところだったが(試乗は後日、実現させたい)、実は導入時の試乗で、クルマの出来栄えについて全幅で納得できずにいた部分があった。そのことを再確認する目的もあり、今回の試乗車の選択と相成った次第。

結論から言うと、印象はかなり好転した。以前のクルマは、いかにも部品を組み付けたばかりの“渋い感じ”をクルマ全体から受けたものだが、今回は、同等の走行距離の個体同士ながら、ずっと馴染みが出て、クルマの挙動にもしなやかさが増して感じられた。

VW T-Roc TDI Style Design PackageVW T-Roc TDI Style Design Package
おそらくどこかがランニングチェンジされた……というほどの時間は経っていないから、製造ロットが進み、こなれたクルマに仕上がるようになったのでは……と推測する。

今回は山道を走らせたが、“ドライビングプロファイル”でエンジン特性やアクセルレスポンス、シフトプログラム、ステアリングトルクなどを切り替えながら、ワインディング路で気持ちよくスポーティな走りが楽しめることを確認。2リットルTDIエンジンは、素性のいいガソリンエンジン並にストレスなく走る。

それとエンジン回転を上げながら気付いたのは、音と振動の室内への伝わり方がかなり遮断されている点。なので山道を走るような際も平和で快適なドライブが味わえる。内外の同クラスのSUVモデルは今や数多いが、やはり見逃せない実力の持ち主だ。

VW T-Roc TDI Style Design PackageVW T-Roc TDI Style Design Package

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  2. スズキの人気トールワゴン『ソリオ』開発責任者が語る、「顔だけじゃない」マイナーチェンジの真価
  3. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
  4. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  5. 狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る