フル規格なら3つのルートで整備効果の検証を…佐賀県が西九州新幹線問題で新たな提案

2020年10月以来となる今回の幅広い協議では、佐賀県から新たな提案がなされた。画像は西九州新幹線『かもめ』に投入されるJR九州版N700Sのエクステリアイメージ。
2020年10月以来となる今回の幅広い協議では、佐賀県から新たな提案がなされた。画像は西九州新幹線『かもめ』に投入されるJR九州版N700Sのエクステリアイメージ。全 1 枚

赤羽一嘉国土交通大臣は6月1日に開かれた定例会見で、フル規格かそれ以外かで膠着状態が続いている西九州新幹線新鳥栖~武雄温泉間の整備問題について、佐賀県側から新たな提案があったことを明らかにした。

これは5月31日に国と佐賀県との間で開かれた4回目の「幅広い協議」の席上でなされたもので、赤羽大臣は、フル規格ありきではなく、スーパー特急方式やフリーゲージトレイン方式なども含めた5択での協議を主張している佐賀県側から「フル規格の3つのルートについて検証したいという御提案があったと聞いております」と述べた。

協議に先立つ5月26日には、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(与党PT)が、並行在来線の維持にJR九州が関与することや、整備新幹線の貸付料を活用した佐賀県への財政負担軽減を前提としたフル規格による着工方針を示しており、この提案はそのことに呼応したもののようで、赤羽大臣は「しっかりと精力的に検討を進めていきたいと考えているところです」と述べた。

報道によると、今回、佐賀県が今回示した提案は、当初の佐賀駅を通るルートのほかに、県北部を通るルート、佐賀空港を通るルートが含まれているとされているが、県はフル規格そのものを容認しているわけではないという。

今後は3ルートの整備効果が検証される模様で、赤羽大臣は「次回以降の協議においても、ひとつひとつの課題について、佐賀県との間でしっかり議論を行い、九州地域、西日本地域のこれからの未来にとってどのような整備のあり方が望ましいか、良い知恵を出しながら御意見を伺っていきたいと考えております」と結んだ。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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