【次世代モビリティに向けた変革のススメ】いま必要なのは現状認識とトップの決断。日系メーカーに残された切り札とは?

欧州型分業の中国版が、主要プレイヤーによって現実のものとなりつつあることを象徴する、中国メーカーの新型車(アクセンチュア撮影)
欧州型分業の中国版が、主要プレイヤーによって現実のものとなりつつあることを象徴する、中国メーカーの新型車(アクセンチュア撮影)全 2 枚

本連載では、CASE(コネクティッド化、自動運転化、シェアリング/サービス化、電動化)へと舵を切った自動車業界のいま、そしてこれからをアクセンチュアで自動車産業領域を担当するスペシャリストたちが論じる。前回まで2回にわたり、現在、世界の自動車産業が直面している構造的な変化と、その変化に追随しきれていない日系メーカーが抱える問題を指摘してきた。果たしてこの先、日本の完成車メーカーは欧米中メーカーと渡り合い、勝ち抜くことができるのだろうか。連載3回目を迎える今回は、対応の遅れが目立つ日系メーカーに処方箋を提示する。

日本が誇る「擦り合わせ」の妙が、開発プロセスの刷新を阻む皮肉

自動車開発の“主戦場”は、やがてハードウエアからソフトウエアに移る。もちろん遠い未来の話ではない。すでに起こりはじめている「いま」の話だ。

自動車は約3万点もの機械部品、電気・電子部品で構成されているハードウエアの塊だ。だが、エンジン、トランスミッション、ブレーキはもとより、エアバッグ、サイドミラーのどれ1つ取ってもソフトウエア抜きに機能しない。しかもその数は増すばかりだ。

ソフトウエアへの依存度が増すことで、開発の舞台裏では新たな問題が起こっている。ソフトウエア開発ニーズの「爆発」的な増加だ。

しかも、開発に従事するエンジニアは慢性的に不足している。そのため開発を円滑に進めるために必要不可欠なはずの擦り合わせ工程がボトルネックとなり、かえって自動車開発の足を引っ張るという皮肉な結果を招いてしまっているのは前回も触れた通りだ。

1つ確かなことは、今後ソフトウエアの開発需要は増えることはあっても減ることはないということだ。消費ニーズが多様化し、トレンドの変化も速まるなか、品質や安全性を盾にいつまでも現場の負担の大きいプロセスを温存しておくべきではないのは、誰の目にも明らかだろう。


《岡村 暁生》

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