世界一高価な自動車、ブガッティが出荷へ…1100万ユーロの「ラ・ヴォワチュール・ノワール」

1930年代に4台が生産された名車の中の1台にインスパイア

カーボンファイバー製ボディにブラックのクリアコート仕上げ

8.0リットルW16気筒ターボは最大出力1500hp

ワンオフモデルの開発に約2年を要した理由

ブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワール
ブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワール全 20 枚

ブガッティは6月3日、『シロン』(Bugatti Chiron)ベースのワンオフモデル、「ラ・ヴォワチュール・ノワール」を間もなく、顧客に向けて出荷すると発表した。税抜き価格は1100万ユーロ(約14億6550円)で、世界一高価な自動車になるという。

【写真】ブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワール(全20枚)

1930年代に4台が生産された名車の中の1台にインスパイア

同車は、ブガッティの伝説の「ラ・ヴォワチュール・ノワール」=“黒い車”の再来をテーマに掲げた。ラ・ヴォワチュール・ノワールとは、1936~1938年に4台のみが生産され、世界で最も美しい車と称されるブガッティ『タイプ57 SCアトランティック・クーペ』の1台だ。

タイプ57アトランティックは、機械構造がエアロライトに非常に似ている最初の2台に、「エアロクーペ」という名前が与えられた。航空機から着想を得たリベットや、艶やかなアルミボディが特長だ。タイプ57SCアトランティックには、スーパーチャージャーエンジンを搭載。今からおよそ80年以上も前の時代に、最高速220km/hオーバーを誇った。

4代のうち3台は所在がわかっているが、ラ・ヴォワチュール・ノワールと呼ばれた1台は、第二次世界大戦の初めの頃に姿を消した。もし今、発見されれば、世界で最も高価な車になるといわれる。ブガッティによると、シロンベースのワンオフモデル、ラ・ヴォワチュール・ノワールは、この車にインスパイアされたという。

カーボンファイバー製ボディにブラックのクリアコート仕上げ

2019年3月、ブガッティのデザインディレクターのアヒム・アンシャイト氏は、1930年代のラ・ヴォワチュール・ノワールを再解釈し、ブガッティの市販モデルに取り入れることを決定した。その内容は、伝説的なクーペを現代的に解釈し、ブガッティの1人の顧客に、究極のグランツーリズムとして提案することだという。

ワイドなフロントエンドと独特のブガッティのCラインによって、タイプ57SCアトランティック同様、優雅なクーペボディを表現する。ルーフ中央を前後に走る1本のラインは、タイプ57SCアトランティックにも見られる特長だ。カーボンファイバー製の車体には、「ブラックカーボングロッシー」と呼ばれるブラックのクリアコート仕上げが施された。

バンパーはボディ一体デザインで、フロントウィンドウはヘルメットのバイザーのように、サイドウィンドウと連続感を持たせた。リアはボディの幅いっぱいに、LEDのストップランプを配置した。リアウイングを装備しないことで、当時のタイプ57SCアトランティック同様のクーペデザインを強調している。6本出しのエグゾーストが、16気筒エンジンの存在を主張する。

8.0リットルW16気筒ターボは最大出力1500hp

インテリア全体に、ハバナブラウンのグレインレザーを採用した。センターコンソール、センタースパイン、ドアなど、さまざまな場所に配されたポリッシュドアルミトリムと、コーディネートされている。走行モードは、ローズウッド仕上げのスイッチで切り替える。

ミッドシップに搭載される8.0リットルW16気筒+4ターボは、2ステージターボ化されており、最大出力1500hp/6700rpm、最大トルク163kgm/2000~6000rpmを引き出す。先代の『ヴェイロン』の最大出力1200hp、最大トルク153kgmに対して、300hp、10kgm強化された。

トランスミッションは7速デュアルクラッチ「DSG」で、駆動方式は4WDだ。0~100km/h加速2.5秒、最高速420km/h(リミッター作動)という世界最高峰の性能を備えている。

ワンオフモデルの開発に約2年を要した理由

ブガッティは、このシロンベースのワンオフモデル、ラ・ヴォワチュール・ノワールを間もなく、顧客に向けて出荷する。同車は2019年3月、スイスで開催されたジュネーブモーターショー2019でプロトタイプが発表されていた。その後、顧客への引き渡しまでに、およそ2年の開発期間を要した。

すべての新しい部品は、ブガッティの厳格なテストと品質手順に合格する必要があり、車両に組み込まれる前に何度もテストされた。大規模なシミュレーションに続いて、風洞とダイナモ上でのテストし、さらにサーキットテストと、あらゆる速度域をカバーするプルービンググラウンドでのテストが行われた。

ホイールベースが延長され、専用設計のボディを採用しているラ・ヴォワチュール・ノワールには、完璧な調整が求められた。ワンオフモデルでありながら、およそ2年を費やしてテスト車両を開発し、ハンドリングや走行の安全性などすべての分野でテストを行い、認証を得られるようにしたという。

ブガッティは、ラ・ヴォワチュール・ノワールについて、グランドツアラーに値するエアロダイナミクス特性と新しいハンドリングをもたらし、パワフルで高速、そして非常に快適、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 次期トヨタ『GRスープラ』はハンマーヘッド顔に!? 450ps級ハイブリッドで2027年登場の可能性
  2. ホンダ23車種、ガソリンが漏れるおそれ…6月掲載のリコール記事まとめ
  3. 初代ホンダ NSXベースのスーパーカー『Tensei(転生)』、北米販売体制が決定
  4. トヨタ『ライズ』次期型はRAV4デザインか⁉…6月のスクープ記事ベスト5
  5. ジープ・プジョー・シトロエン・フィアット・アバルト、日本最多5ブランド集結「ブランドハウス」を東京・足立に開業…7月25日
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ETASとエレクトロビット、ADAS向け統合ソフトウェア基盤を発表…人とくるまのテクノロジー展 2026
  2. ボッシュがなぜ「しろくまくん」を買収したのか? “熱とAI”が変える、SDV時代の勝算
  3. BMW工場にヒューマノイド「Figure 03」導入…フィジカルAIで全身協調制御
  4. BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]
  5. バックミラーは「銀座4丁目」だった…電子ミラー最大手「ジェンテックス」が握る車内センシングの主導権
ランキングをもっと見る