VW マルチバン 新型、歴代初のPHV設定…欧州発表

歴代モデルのDNAに敬意を表した水平基調のデザイン

格納式テーブルになるスライド式センターコンソール

PHVシステム全体で218psのパワー

フォルクスワーゲン・マルチバン 新型
フォルクスワーゲン・マルチバン 新型全 10 枚

フォルクスワーゲンは6月10日、新型『マルチバン』(Volkswagen Multivan)を欧州で発表した。

フォルクスワーゲンは1985年9月、ドイツ・フランクフルトで開催されたIAA国際モーターショー(商用車)において、商用バンの『T3』をベースにした乗用バージョン、初代マルチバンを発表した。

以来、『T4』、『T5』、『T6』をベースにした乗用ミニバンとして、マルチバンが設定されてきた。2019年には、T6のマルチバンが大幅改良を受け、「マルチバン6.1」にアップデートされた。

歴代モデルのDNAに敬意を表した水平基調のデザイン

新型マルチバンは、歴代モデルのDNAに敬意を表して、水平基調のデザインを採用する。その上で、ワイドなグリルとスリムなヘッドライトを備えた新しいエクステリアデザインを導入した。Aピラーは視認性を向上させるデザイン。最初の3世代がリアに空冷エンジンを搭載していたことに敬意を示して、フロントのエアインテークはボディ同色で塗装された。

新型のボディサイズは、全長4973mm、全幅1941mm、全高1903mm、ホイールベース3124mm。 全長5173mmのロングバージョンも用意する。従来型に対して、ホイールベースは長く、全高は低くなった。エアロダイナミクスを改善することにより、燃費性能を高め、航続を延ばすように設計されている。

新型マルチバンには、LEDヘッドライトが標準装備されている。オプションで「IQ.LIGHT」が用意されており、「LEDマトリックスヘッドライト」は、対向車のドライバーを幻惑させることなく、コーナリング中でも明るく前方を照射する。IQ.LIGHTシステムは、デイタイムランニングライト機能として、フロントグリルに照明付きLEDラテラルバーが装備されている。フォルクスワーゲン・マルチバン 新型フォルクスワーゲン・マルチバン 新型

格納式テーブルになるスライド式センターコンソール

新型マルチバンのインテリアには、新開発のモジュール式軽量シートと革新的なテーブルが採用された。前席と後席の間をスライドするセンターコンソールを装備する。このスライド式センターコンソールは、後席での使用時には、格納式テーブルとしても機能する。このコンソールは高さ調節が可能で、3つのカップホルダーが備わる。

新型は3列シートを備えており、最大7名が乗車できる。2列目と3列目のシートは、従来型に対して最大25%軽量化されており、脱着が可能だ。2列目シートは180度回転して、対面レイアウトにできる。3列目シートは、従来のベンチシートから独立3座シートに置き換えられ、1脚ずつ取り外しすることが可能だ。

従来型のハンドブレーキは廃止され、新型では電動パーキングブレーキを採用した。トランスミッションは、シフトバイワイヤーによって制御されるDSGのみ。シフトレバーはスイッチに置き換えられ、インストルメントパネルに配置された。これにより、乗員スペースが拡大している。

新型マルチバンは、3列目シートの後ろに469リットルの荷物スペースを確保した。3列目シートを取り外せば、1844リットル(パノラマガラスルーフ装着車で1850リットル)に拡大する。フォルクスワーゲン・マルチバン 新型フォルクスワーゲン・マルチバン 新型

PHVシステム全体で218psのパワー

新型マルチバンは、フォルクスワーゲングループの「MQB」プラットフォームをベースに開発された。歴代マルチバン、そして、フォルクスワーゲンの商用車モデルで初めて、プラグインハイブリッド車(PHV)の「eハイブリッド」が設定されている。

新型マルチバンのeハイブリッドのPHVパワートレインは、エンジンが直噴1.4リットル直列4気筒ガソリンターボ「TSI」で、最大出力150psを発生する。モーターは、最大出力115ps。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、218psのパワーを引き出す。トランスミッションは6速DSG。EVモードでは、サイレントなゼロエミッション走行を可能にしている。

二次電池は、蓄電容量13kWhのリチウムイオンバッテリーだ。新型マルチバンのフラットなフロアの下に搭載される。これにより、室内スペースを犠牲にせず、車両の重心を下げて、ハンドリング性能を追求した。充電ソケットは、フロントフェンダーの右側に配置されている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  2. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  3. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  4. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  5. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る