芸備線、新見市内-庄原市内の存廃を協議へ…JR西日本が開始を要請

芸備線三次以東で運用されているキハ120形。広島県庄原市内の東城~備後落合間は、2018年度実績で輸送密度がわずか9人という超閑散区間だ。
芸備線三次以東で運用されているキハ120形。広島県庄原市内の東城~備後落合間は、2018年度実績で輸送密度がわずか9人という超閑散区間だ。全 3 枚写真をすべて見る

JR西日本は6月14日、芸備線沿線の岡山県新見市と広島県庄原市に対して「地域公共交通計画に関する申入れ」を行なったことを明らかにした。

芸備線は備中神代(びっちゅうこうじろ)駅(岡山県新見市)と広島駅(広島市南区)と結ぶ、中国山地に沿った全長159.1kmの路線。JR西日本が公表している『データで見るJR西日本2019』によると、2018年度における同線の1日あたりの平均通過人員(輸送密度)は、三次~広島間が8817人、今回申し入れを行なった沿線を含む備中神代~三次間が278人と、三次駅(広島県三次市)を境に極端に差がある。全線を通した輸送密度は1341人だが、これはJR西日本発足時よりほぼ半減した数字だ。

ちなみに、芸備線全線の輸送密度をJR北海道における同年度のものと比較すると、富良野線(1505人)よりも少ないが、三次~広島間に限ると函館本線岩見沢~旭川間(8237人)に匹敵する。

反面、備中神代~三次間は根室本線釧路~根室間(250人)並で、同じ路線でも維持可能な幹線級と維持困難な地方交通線が同居している特異な状態となっている。

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そのため、現在のダイヤは備後落合駅(広島県庄原市)や三次駅を境に3系統に分離されており、全線を通して運行されている列車は1本もない。

かつては『ちどり』『みよし』といった急行が運行されていたものの、2007年7月までにすべて廃止。近年では『快速庄原ライナー』や観光列車『○○のはなし』の運行などで利用促進策が図られていたが、路線の特性上、国土交通省が示す「地域公共交通計画」の策定または見直しが急務であるとして、JR西日本は「地域の現状、公共交通の概況、ご利用状況、移動特性、ニーズ等の把握」「芸備線の利用促進」という2点の内容について7月頃から協議・検討することを申し入れた。今後は新見市内から庄原市内にかけての区間における存廃が検討されるものと思われる。

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《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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