トヨタ ランドクルーザー 新型…70年、170の国と地域、1040万台[フォトヒストリー]

1951年:トヨタ・ジープBJ型警察予備隊向け(ヘビーデューティ)
1951年:トヨタ・ジープBJ型警察予備隊向け(ヘビーデューティ)全 31 枚

トヨタ自動車は6月11日、SUVの新型『ランドクルーザー』を世界初公開した。1951年に誕生し、「人々の安全・安心を支えるクルマとして選ばれ続けてきた」、「トヨタを象徴する一台」と、トヨタ自ら謳う。

トヨタでは「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」との期待に応えるため、ランドクルーザーの信頼性・耐久性・悪路走破性を進化させ続けてきたという。世界170の国と地域で累計約1040万台、最近は年間30万台以上を販売している。新型は、シリーズのフラッグシップであるステーションワゴン型のランドクルーザーで、200系の後継になる。

ランドクルーザーは1951年、トヨタ『ジープBJ』型として警察予備隊(現・陸上自衛隊)向けに計画されたのが最初だ。民生用トヨタジープBJ型は1953年に登場し、1954年にランドクルーザーBJ型と改名した。「ジープ」の名がウィリスオーバーランド社の商標になったため。以後ランドクルーザーは1955年に20系、1961年に40系とモデルチェンジする。

40系からは1967年、ステーションワゴンの55系が派生した。55系は1980年に60系にモデルチェンジ、これが新型の300系にまで発展することになる。いっぽう40系はヘビーデューティとして進化し、1984年に70系になる。70系で84年に登場した仕様はバンで、翌85年にはワゴン仕様が設定された。70系ワゴンはライトデューティとして、のちに「プラド」シリーズに発展する。
1985年:ランドクルーザー70系(ライトデューティ)1985年:ランドクルーザー70系(ライトデューティ)
85年の時点でランドクルーザーは、ステーションワゴン(60系)、ヘビーデューティ(70系バン)、ライトデューティ(70系ワゴン)の3系統で構成されるようになった。

ステーションワゴンは60系以後、1989年に80系、1998年に100系、2007年に200系、そして2021年に新型の300系にモデルチェンジする。80系からは1996年型レクサスLXが派生した。

ライトデューティの70系ワゴンは1990年、「プラド」のサブネームを得て、「ランドクルーザープラド70系」になる。三菱『パジェロ』が好調を記録していた市場への参入だった。1996年には乗用車的性格を強くして形式が90系に分離する。2002年に120系、2009年に150系(現行)となる。120系からは2003年型レクサスGXが派生した。

本流のヘビーデューティは70系が現在まで改良を重ねながら継続している。この間の2004年に日本国内での販売は終了して海外専用車種となり、2007年には大きなデザイン変更が行なわれた。その後国内では、2014~15年に30周年を記念して限定再販されたことがある。日本市場でのランドクルーザーは現在、ステーションワゴンとプラドの2本立てだ。
グローバル累計販売台数(~2019年、単位は1万台)グローバル累計販売台数(~2019年、単位は1万台)
年表
1951年:トヨタ・ジープBJ型警察予備隊向け(ヘビーデューティ)
1953年:トヨタ・ジープBJ型民生用(ヘビーデューティ)
1954年:ランドクルーザーBJ型(ヘビーデューティ)
1955年:ランドクルーザー20系(ヘビーデューティ)
1961年:ランドクルーザー40系(ヘビーデューティ)
1967年:ランドクルーザー55型(ステーションワゴン)
1980年:ランドクルーザー60系(ステーションワゴン)
1981年:累計販売100万台
1984年:ランドクルーザー70系バン(ヘビーデューティ)
1985年:ランドクルーザー70系ワゴン(ライトデューティ)
1989年:ランドクルーザー80系(ステーションワゴン)
1990年:ランドクルーザープラド70系(ライトデューティ)
1996年型:レクサスLX450
1996年:ランドクルーザープラド90系(ライトデューティ)
1998年:ランドクルーザー100系(ステーションワゴン)
2002年:ランドクルーザープラド120系(ライトデューティ)
2003年型:レクサスGX450
2006年:累計販売500万台
2007年:ランドクルーザー200系(ステーションワゴン)
2009年:ランドクルーザープラド150系(ライトデューティ)
2019年:累計販売1000万台
2021年:ランドクルーザー300系(ステーションワゴン)
コスタリカのニンジン収穫風景コスタリカのニンジン収穫風景

《高木啓》

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