[カーオーディオユニットの選び方]サブウーファー…国産モデルの注目株をチェック

ユニットサブウーファーの一例(ダイヤトーン・SW-G50)。
ユニットサブウーファーの一例(ダイヤトーン・SW-G50)。全 3 枚

カーオーディオ・ライフを送るにおいては、製品選びも楽しむべきポイントの1つとなる。当シリーズでは、それをする際の参考となるような情報を多角的に発信している。今回は、国産ブランドの「ユニットサブウーファー」のラインナップを具体的に紹介していく。

スペシャルな振動板素材と強力な磁気回路を採用し、良質な低音を再生!<ダイヤトーン>

前回の記事の中で解説したとおり、国産ブランドは「ユニットサブウーファー」を数を絞ってリリースしている場合が多い。では早速、各社がどのような製品をリリースしているのかを見ていこう。まずは、ダイヤトーン(三菱電機)から。

同社は「ユニットサブウーファー」を、1機種のみリリースしている。モデル名は、『SW-G50』(税抜価格:8万円)だ。

当機の設計上の主な特長は2つある。1つは、振動板素材に三菱電機が独自開発したスペシャル素材「NCV」が使われていることだ。当素材は、軽さと硬さという相反する2つの性質をそれぞれ高次元で持ち合わせ、かつ、伝搬速度の速さと素材固有の響きが少ないという相反する2つの特性もハイレベルに両立させている。結果、入力される電気信号に対して素速く反応でき、量感豊かにそして解像度高く超低音を再生可能だ。

そしてもう1つの特長は、磁気回路に「MST(マグネサーボ・テクノロジー)」が採用されていることだ。当磁気回路は、とにもかくにも磁力が強力で、ゆえにこれによっても入力信号に対するレスポンスの速さがサポートされていて、かつ歪みの少ない深く沈んだ低音を再生できる。

なお『SW-G50』は、少容量のボックスでもしっかり鳴らせるという特性も持つ。その一方で、フリーエアで鳴らすことも可能だ。つまり、扱いやすい「ユニットサブウーファー」ともなっている。インストール上の都合にフレキシブルに対応してくれるのだ。

また、入力信号に対する反応が素早いがゆえに、フロントスピーカーのサウンドと繋がりやすい。なので、さまざまなスピーカーと良好にマッチする。この点も当機ならではの強みだ。

Hi-Fi的に鳴らしやすい良質な「ユニットサブウーファー」を欲するのなら、当機のチェックはマストだ。

ユニットサブウーファーの一例(ビーウィズ・L-165RW)。

独自のコンセプトで、個性的な「ユニットサブウーファー」を展開!<ビーウィズ>

続いては、国産ハイエンドカーオーディオブランド、ビーウィズのサブウーファーラインナップを見ていこう。

ちなみに同社のハイエンドスピーカーラインである『コンフィデンス シリーズ』とセカンドラインである『アキュレート シリーズ』の「ユニットサブウーファー」はともに、口径が18cmだ。一般的なサブウーファーと比べて小さいが、それは同社のフロントスピーカーとベストなマッチングを取るためだ。これら2ラインのミッドウーファーの口径はともに13cmであるので、それと良好にバランスするサイズが18cmというわけなのだ。

なお、これら2ラインのすべてのスピーカーユニットには、ビーウィズ独自の「P.P.C.スピーカー技術」が採用された世界唯一の「オール偏芯コーンシステム」が採用されている。つまりすべてのスピーカーユニットが同一素材、同一構造となっていて、結果、全帯域での音色統一、指向性制御、フラット&スムーズな周波数特性を実現できている。

またビーウィズは近年、新コンセプトの次世代スピーカーライン『リファレンスAM シリーズ』も登場させているのだが、同シリーズ内においても独特な「ユニットサブウーファー」を用意している。

その製品とは、『L-165RW』(税抜価格:4万円)だ。当機の口径は16.5cm。なんと同シリーズ内のミッドウーファーと同サイズとなっている。

このようにサブウーファーとしては小口径であるがゆえに、最少で3リットルの少容量エンクロージャーに組み込むことも可能だ(密閉箱専用)。つまり、インストール性が抜群に高い。しかしながら、タイトで深みのある本格的な低音を奏でられる。

「ユニットサブウーファー」の導入に興味を持ちつつも、ボックスが大型化し車両の積載性能がスポイルされることを心配するのなら、当機は絶好のターゲットと成り得る。

ユニットサブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-W252PRS)。

ナチュラルにフロントスピーカーのサウンドと繋がる好機をリリース!<カロッツェリア>

最後に、国産人気ブランド、カロッツェリアの「ユニットサブウーファー」のラインナップを紹介しよう。

同社は現在、「ユニットサブウーファー」を2機種用意している。1つが、ハイエンドスピーカーライン『1000RS シリーズ』に名を連ねる『TS-W1000RS』(税抜価格:12万円)だ。

当機の最大の特長は、「一体型三層構造クロスカーボン振動板」が採用されていることにある。これにより超低域再生と瞬時な反応が実現されていて、結果、フロントスピーカーのサウンドとスムーズに繋がるナチュラルな重低音の再生が可能となっている。

また当機は、「亜鉛ダイキャストフレーム」が採用されていることも特長だ。フレームやバックカバー等を支えるダンパーホルダーに高剛性かつ低共振の亜鉛素材を採用し、高い耐共振性を獲得している。

そしてカロッツェリアのもう1機種とは、『TS-W252PRS』(税抜価格;5万5000円)だ。当機の最大の注目ポイントは、振動板の構造にある。当機では、新開発の「25cm3層構造振動板」が採用されている。25cm口径の振動板の表皮側にアラミド繊維の平織りをそして中間層には発泡PPをそれぞれ用い、さらに裏側のガラス繊維を補強的に使い、軽量化と高剛性の両立に成功している。結果、低域の解像度の向上が果たされている。

また当機には、パイオニアがプロフェッショナルスピーカーの世界で高い評価を受けている「TAD」で培った開発テクノロジーも注入されている。このことも、当機の低音再生能力の高さに大きく寄与している。

このように、国産ブランドの各「ユニットサブウーファー」は、サウンドクオリティにこだわった秀作揃いだ。超低音の“質”を追求したいと思ったら、これらに要注目。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

連載「カーオーディオユニットの選び方」詳細解説! Part3「サブウーファー編」 その4「国産モデルの注目株をチェック!」

《太田祥三》

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