アキュラ TLX 新型に「タイプS」、355馬力の専用V6ターボの詳細発表…6月24日米国発売

49kgmの最大トルクはタイプS史上最強

6気筒エンジンのうちの3気筒を休止する「VCM」

ツインスクロールターボチャージャー

NSXにも搭載されたアクティブエキゾースト

アキュラ TLX 新型のタイプS
アキュラ TLX 新型のタイプS全 19 枚

アキュラは新型『TLX』(Acura TLX)の高性能グレード「タイプS」を6月24日に米国市場で発売する。アキュラが6月22日に発表した。エンジンの詳細も明らかにされている。

49kgmの最大トルクはタイプS史上最強

2020年9月に米国で発売された第2世代のアキュラTLXをベースに、ブランド独自のターボチャージャー付きV型6気筒ガソリンエンジン、ダブルウィッシュボーンフロントサスペンションを備えたスポーツチューンドシャシー、強力なブレンボ製ブレーキを装備した。

新開発の3.0リットルV型6気筒ガソリンターボエンジンには、数十年にわたるパフォーマンスエンジン開発の経験とモータースポーツのノウハウを導入した。最大出力が355hp、最大トルクは49kgmを引き出す。49kgmの最大トルクは、タイプS史上、最強だという。

タイプS専用の3.0リットルV6ターボは、オールアルミ構造、コンパクトなサイズ、デュアルオーバーヘッドカムシャフト、24バルブ、直噴システム、シングルツインスクロールターボチャージャーを備えている。

アキュラの主力エンジンの3.5リットルV型6気筒ガソリンエンジンとは、ボアと60度のVバンクのみを共有している。 タイプS専用のV6ターボでは、クランクの剛性と耐久性を向上させる6ボルト焼結メインキャップと、86×86mmのボアとストロークが採用された。

6気筒エンジンのうちの3気筒を休止する「VCM」

V6ターボをTLXのエンジンルームに収めるため、ターボチャージャーをトランスミッション上のエンジンに隣接する場所に配置し、薄型のシリンダーヘッドを採用した。

カムベアリングキャップは、バルブカバー自体に組み込まれたキャップに置き換えられた。これにより、エンジンの高さを下げ、部品点数を減らしている。3.0リットルV6ターボエンジンは、自然吸気の3.5リットルV6エンジンよりも8mm短くなっている。

タイプS専用のV6ターボでは、高応力の鍛鋼製クランクシャフトと鍛造鋼製コネクティングロッドを使用。ピストンの上部ピストンリングキャリアには、高密度のNiレジスト鋳鉄を使い、優れた摩耗特性と優れたシーリングを可能にしているという。

このほか、「VCM」(バリアブル・シリンダー・マネジメント)を採用した。VCMは、さまざまな状況で6気筒エンジンのうちの3気筒を休止し、より多くの出力が必要な場合、全6気筒を再び稼働させる。ポンプ損失を防ぐために、エンジンの電子制御ユニット(ECU)は、休止したシリンダーのバルブを閉じる。

VCMが作動している場合にスムーズな操作を維持するために、新しいエンジンマウントとアクティブ振動制御「AVC」が装備された。タイプS向けV6ターボ専用のAVCは、シャシーとエンジンからの振動を抑えており、乗員はVCMの作動をほとんど感知できないという。

ツインスクロールターボチャージャー

タイプS専用のV6ターボには、ツインスクロールターボチャージャーを搭載している。エンジンシリンダーのリアバンクで、タービンの直径の小さいスクロールを加圧し、フロントバンクで直径の大きいスクロールを加圧する。これにより、ターボラグが最小限に抑えられ、スロットルレスポンスが最適化されるという。

迅速なターボレスポンスのために、エキゾーストマニホールドはシリンダーヘッドに直接鋳造された。エンジンのトルク特性を向上させるために、可変タイミング制御の「VTC」が、吸気カムと排気カムの両方に装備されている。最大ブーストは15.1psiで、49kgmの最大トルクを1400rpmの低回転域から引き出す。

ラジエーターを追加して、エンジンの冷却性を高めるとともに、オープンサーフェスのダイヤモンドペンタゴンメッシュグリルにより、エンジンコンパートメントへの空気の流れを約10%増加させた。厚さ3.2インチ、長さ23.6インチ、高さ4.9インチの専用インタークーラーが装備されている。

NSXにも搭載されたアクティブエキゾースト

『NSX』と同様のアクティブエキゾーストシステムも装備した。アクティブエキゾーストは、各マフラーのバタフライバルブを開いて、V6エンジンの自然な音を強調し、よりエモーショナルな運転体験を可能にする。

アクティブエキゾーストシステムの動作は、選択したダイナミクスシステムモードによって異なる。コンフォートモードでは、バルブは起動時とアイドリング時に閉じられ、4000rpmまで閉じたままになる。

ノーマルモードでは、エンジンが始動してアイドリング状態になり、バルブが開いた状態で、よりエキサイティングな始動体験が得られるという。トランスミッションがシフトチェンジすると、バルブは閉じ、4000rpmまで閉じた状態を保つ。スポーツモードでは、バルブはアイドリング時と起動時に開き、クルージング中は閉じる。スポーツ+では、バルブは常に開いた状態となるとしている。

《森脇稔》

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