キャデラック『CT4-V』に「ブラックウィング」、史上最高のダウンフォース…今夏米国発売

大型ウィングを使用せずにダウンフォースを獲得

低圧ゾーンを生み出す「フロントアンダーウィング」

472hpの3.6リットルV6ツインターボ+6速MT

0-96km/h加速3.8秒で最高速304km/h

キャデラック CT4-V ブラックウィング
キャデラック CT4-V ブラックウィング全 17 枚

キャデラックは6月24日、『CT4-Vブラックウィング』(Cadillac CT4-V Blackwing)が「Vシリーズ」史上最高のダウンフォースを実現した、と発表した。今夏、米国市場で発売される予定だ。

同車は、「キャデラックレーシング」の血統を受け継ぐスーパースポーツセダンを標榜するVシリーズのさらなる高性能バージョン、「ブラックウィング」の最初のモデルだ。キャデラックの新型スポーツセダン、『CT4』の最上位モデルの『CT4-V』がベース。キャデラックはブラックウィングで、メルセデスAMGやBMW M、アウディRSに対抗していく。

大型ウィングを使用せずにダウンフォースを獲得

CT4-Vブラックウィングのエアロパッケージは、ミシガン州のGMテクニカルセンターの新しい風洞施設と、ノースカロライナ州のキャデラックレーシングのウィンドシェア風洞を使用して開発された。その結果、キャデラックVシリーズの量産モデルとして、史上最高レベルのダウンフォースを獲得しているという。

キャデラック CT4-V ブラックウィングキャデラック CT4-V ブラックウィング

エアロパッケージは、レースで多くの勝利を達成したキャデラックレーシングの「DPi-VR」レーシングカーに触発されている。500時間以上の風洞試験と300回のシミュレーションにより、CT4-Vブラックウィングの「カーボンファイバーパッケージ」に磨きをかけた。キャデラックのエンジニアは、バーチャルリアリティ(VR)ヘッドセットを使用しながら、エアロダイナミクスの開発に取り組んだ。GMテクニカルセンターの風洞施設により、エンジニアは空力コンポーネントの細かい調整に、より多くの時間を費やすことが可能になったという。

キャデラックの空力パフォーマンスエンジニアのスコット・シエ氏は、「アンダーウィングなどのコンポーネントのおかげで、CT4のデザインに似合わない大型ウィングを使用せずに、ダウンフォースを獲得することができた」と語る。

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低圧ゾーンを生み出す「フロントアンダーウィング」

CT4-Vブラックウィングには、「フロントアンダーウィング」が採用される。このフロントアンダーウィングは、ダウンフォースを高め、重要なコンポーネントを冷却するのに役立つ低圧ゾーンを生み出すという。「エアストレーキ」は空気の流れをコントロールし、ダウンフォースを作り出して車両のバランスを取る。「フロントダイブプレーン」は、フロントを押し下げてフロントタイヤのグリップ力を高める。

キャデラック CT4-V ブラックウィングキャデラック CT4-V ブラックウィング

リアスポイラーは、コンポーネントにボルトを追加せずに、ダウンフォースを生成するように設計された。機能的な3mmのガーニーフラップが特長で、空気の流れを方向付け、ダウンフォースを増やすのに役立つという。

「Vシリーズブラックウィンググリルメッシュ」は、気流を最適化するように調整されたV字型インレットを備える。それぞれのV字型の入口には、空気を制御し誘導するための2つの異なるテクスチャを持つ。ブレーキ冷却ダクトは3Dプリントで生産されたもので、サーキット走行時にフロントローターとリアローターを冷却する。

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フロントスプリッター、ロッカーモールディングとエクステンション、リアディフューザーは車両の揚力を減らし、高速で車両のバランスを取るのに貢献する。フラットアンダーボディや、後輪とコントロールアームの周りに空気が溜まらないようにするリアコントロールアームカバーも採用している。

472hpの3.6リットルV6ツインターボ+6速MT

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CT4-Vブラックウィングには、3.6リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。制御システムソフトウェアと吸気システムのチューニングにより、最大出力472hp、最大トルク61.5kgmを獲得する。ベース車両のCT4-Vに対して、パワーは152hp、トルクは10.5kgm引き上げられた。

トランスミッションは、このクラスでは珍しい6速MTを標準とし、10速ATをオプションとした。「TREMEC」と呼ばれる6速MTには、高トルク容量と優れたペダルフィーリングを可能にする「LuK」のツインディスククラッチを採用する。コンソールのスイッチを押すとアクティブレブマッチングが作動し、シフトダウン時にエンジン回転数を自動的に合わせてくれる。

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この6速MTは、人間工学に配慮して、クラッチペダルとブレーキペダルの位置を最適化した。油圧マスターシリンダーストップではなく、クラッチペダルのバリアストップにより、クラッチ操作中のドライバーへのフィードバックを向上させている。より正確なシフトを可能にするために、従来の6速MTよりもショートストローク化も図られた。

0-96km/h加速3.8秒で最高速304km/h

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CT4-Vブラックウィングには、フロント255/35ZR18、リア275/35ZR18サイズのタイヤを装着する。ブレーキキャリパーは、フロントがブレンボ製の6ピストン、リアが4ピストン。ブレーキローター径は、フロントが380 mm、リアが340.5 mmとした。

CT4-Vブラックウィングには、強化された電動LSDを装備した。軽量設計とし、走行モードとパフォーマンストラクションマネージメントの設定に合わせて、最適化されている。ハードなコーナリング時に、後輪が最大のトラクション性能を発揮するよう、後輪側により多くの駆動トルクを自動的に配分し、グリップを強化する。高性能なディファレンシャルクーラーも採用された。アルミ製ハウジングによって、重量は10kg以上軽量化されている。

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CT4-Vブラックウィングのパフォーマンスは、0~96km/h加速が3.8秒(10速AT)で、最高速は304km/hに到達する。サブコンパクトクラスで最もパワフルかつ最速のキャデラックになるという。

《森脇稔》

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