ジヤトコ、中・大型FF車用新型CVT「CVT-X」を開発…環境・運動性能を大幅進化

ジヤトコ CVT-X
ジヤトコ CVT-X全 1 枚

ジヤトコは6月30日、環境性能と運転性を進化させた中・大型FF車用の新型CVT「CVT-X」を開発したと発表した。

新開発のCVT-Xは、トランスミッション専門メーカーとしてジヤトコが技術の限界に挑んだ商品で、環境性能と運転性を飛躍的に進化。CVTとしては難しいとされていた伝達効率90%の壁を越え、これまでにないレベルの完成度を実現した。

CVT-Xは、CO2排出量を抑え、高い燃費性能を実現するダウンサイジングターボエンジンとの組み合わせにも対応。エンジンの効率の良い領域を積極的に使いながら、ターボ加給時のトルクに瞬時に追従する油圧応答性やトルクコンバーターのロックアップ応答性など、ターボエンジンにより適したCVTに仕上げている。

オイルポンプやシールリング、ベアリングなどメカフリクションを徹底的に見直し、従来の同クラスCVT(同社CVT8)比で約30%のフリクション低減に成功した。また、変速機構として新たに採用したチェーンは、ピン間のピッチを現行に対して10%短くすることで巻き付き径が小さくなり、変速比幅を8速ATに匹敵する8.2までワイド化。これにより高速走行時のエンジン回転数をより低回転化、さらに、トルクコンバーターのロックアップ構造を見直し、スリップロックアップ領域を拡大することなどにより、同クラスCVT(同社CVT8)比で燃費が8%向上した。

また、8.2にワイド化した変速比幅や、ロックアップ完了までの時間短縮により、発進からの優れた加速性能を実現している。変速ではフィードフォワード制御とフィードバック制御の双方を組み合わせ、変速時間の短縮と変速ショックを高次元で両立。ドライバーのアクセル操作から車の挙動までの応答スピードを極限まで高め、意のままの走りを実現している。

さらにピン間の距離に従来のピッチとショートピッチの両方を配置したランダムピッチチェーンと、新形状の高剛性チェーンガイドを採用することで弦振動を抑制。これによりチェーンCVTでありながら、静粛性の高い快適な走りを実現している。

なおCVT-Xは、2021年6月に欧州で発売された日産『キャシュカイ』に搭載されている。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産、スーパーハイト軽自動車『ルークス』新型を先行公開、160万円台から秋頃発売へ
  2. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  3. コメリが洗車グッズの新商品を発売、撥水力2倍のカーワックススプレーなど4アイテム
  4. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  5. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る