空調の試験条件不統一、数値改ざん、試験の省略…不適切検査は空気圧縮機まで 三菱電機の不祥事

山手線用E235系500番台
山手線用E235系500番台全 2 枚

三菱電機(三菱)は6月30日、長崎製作所(長崎県時津町)で製造された鉄道車両用空調装置などの不適切検査に関する社内調査結果を公表した。

同社では6月14日、社内調査で「購入仕様書の記載とは異なる検査の実施や検査の不実施、検査成績書への不適切な記載」が判明したと発表。さらに6月28日には、過去に出荷したブレーキやドア開閉などに使用する空気圧縮機ユニットの一部に、購入仕様書の記載とは異なる不適切な検査や検査不実施が判明したとしており、直ちに当該製品の出荷を停止し、適正に検査されたもののみを出荷しているという。

三菱が6月30日時点で把握している不適切な検査内容は、空調装置については、温度や試験方法を統一する必要がある能力試験や消費電力試験、防水試験が不統一な状態で行なわれていたこと、仕様書の記載と異なる社内試験要領に基づき負荷試験・振動試験・絶縁抵抗試験・耐電圧試験・形状及び寸法検査が行なわれていたことで、空気圧縮機については、ユニット形式試験において、前機種と同じ仕様となっていた部分の試験を省略し、前機種の試験結果をそのまま採用していたことが挙げられている。

このほか、顧客の一部へ提出していた検査成績書に、先の形式試験時の検査合格結果を自動入力するなどして、実際の数値とは異なるものが記載されていたとしており、現在、鉄道事業者などに対して状況を報告しているという。

三菱は陳謝の上、「本件を重く受け止め、原因を究明し、再発防止を策定次第、速やかに公表いたします」とする一方、既に出荷されていたものについては問題がないことや、起因する事故がないことを確認しているとしており、今後はグループ内における同様の例を、外部の弁護士らを含む調査委員会を組織して調べる方針を示している。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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