アルピーヌ 初のEV、3車種のティザー…最初の1台は2024年発表予定

ルノーのスポーツカーの開発をアルピーヌが統括

2車種のEVはルノー日産三菱の車台がベース

A110後継EVはロータスカーズと共同開発

ルノーR5のアルピーヌ版は名車「5ターボ」の再来の可能性も

アルピーヌ初の市販EVとして開発中の3車種のティザーイメージ
アルピーヌ初の市販EVとして開発中の3車種のティザーイメージ全 7 枚

ルノーグループは、6月30日に開催した「ルノー eWays」において、傘下のアルピーヌ(Alpine)初の市販EVとして、開発中の3車種のティザーイメージを公開した。アルピーヌのEVは「ドリームガレージ」と呼ばれ、最初の1台は2024年にデビューする予定だ。

ルノーのスポーツカーの開発をアルピーヌが統括

アルピーヌの市販モデル、ルノーのスポーツカー、ルノースポールレーシングの現在の活動は順次、アルピーヌブランドの下で統合される。アルピーヌは、目の肥えた顧客向けの新世代の自動車ブランドになるという。

アルピーヌはまた、ルノーグループとルノー日産三菱アライアンスの規模とノウハウを活用する。これには、ルノー日産三菱アライアンスのEVプラットフォームのテクノロジー、グローバルな生産施設、最適なコスト競争力を確保する購買部門、グローバルな流通ネットワークなどが含まれる。目標は、モータースポーツへの投資を含めて、2025年に利益を上げることだという。

アルピーヌブランドは、『A110』に続く新型車の開発にも乗り出す。現行アルピーヌA110のミッドシップには、1.8リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。最大出力252ps、最大トルク32.6kgmを引き出し、後輪を駆動する。トランスミッションは、ゲトラグ製の7速デュアルクラッチ。0~100km/h加速4.5秒、最高速250km/h(リミッター作動)の性能を備えている。

2車種のEVはルノー日産三菱の車台がベース

アルピーヌの具体的な新型車としては、ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-B EV」プラットフォームをベースにしたフルEVのBセグメントホットハッチがある。また、ルノー日産三菱アライアンスの「CMF EV」プラットフォームをベースにしたフルEVのCセグメントスポーツクロスオーバー車も計画されている。

「CMF」とは、「コモン・モジュール・ファミリー」の略だ。CMF EVプラットフォームは、日産が開発を主導し、新型クロスオーバーEVの日産『アリア』に最初に採用されている。

このEV専用プラットフォームは、EVに関する日産の豊富なノウハウを注入し、運転の楽しみや乗る人すべてが快適な車になることを目指して開発されたという。重量物であるバッテリーを車体中央に配置し、低重心かつ前後の重量配分が均等になるように設計された。また、バッテリーケース内にクロスメンバーを配し、フロアトンネルが無いフラットなフロアも高い剛性を確保している。組み合わされるサスペンション部品も高剛性な部品を採用するなどし、操縦安定性能を向上させるだけでなく、揺れにくい快適な乗り心地と高い静粛性を実現しているという。

A110後継EVはロータスカーズと共同開発

すでにアルピーヌは、英国のロータスカーズとの間で、次世代EVスポーツカーの共同開発を含めた多くの分野における提携に向けて、覚書に署名した。アルピーヌとロータスカーズは、フランスと英国のそれぞれの部門が持つリソース、専門知識、施設を活用して、EVスポーツカーの共同エンジニアリング、設計、開発が実現可能かどうか、調査を行う。

さらに、アルピーヌとロータスカーズは、エンジニアリングのノウハウを組み合わせた新たなサービスを共同開発することに関しても、検討していく。F1から耐久レースまでをカバーするアルピーヌのモータースポーツプラットフォームを活用するためのコラボレーションも検討している。

アルピーヌは、ロータスカーズとともに、カスタマイズされたソリューションのエンジニアリングや、次世代のEVスポーツカーの開発などを進める。アルピーヌはF1をビジネスの中心に置き、自社のノウハウにロータスカーズの技術を活用して、最先端のパフォーマンスやテクノロジー、電動化を車両に投入していく。

アルピーヌとロータスカーズの協業において、市販車の最初の成果となりそうなのが、A110の後継モデルだ。アルピーヌはA110の後継モデルに関して、ロータスカーズと共同開発を行い、100%EVになるという。

ルノーR5のアルピーヌ版は名車「5ターボ」の再来の可能性も

ルノーグループは今回、ルノー eWaysにおいて、アルピーヌ初の市販EVとして、開発中の3車種のティザーイメージを公開した。3台が上下に並んだティザーイメージは、上からCMF EVプラットフォームをベースにしたフルEVのCセグメントスポーツクロスオーバー車、CMF-B EVプラットフォームをベースにしたフルEVのBセグメントホットハッチ、そしてA110の後継EVと見られる。

3台のEVのうち、フルEVのBセグメントホットハッチは、ルノーグループがルノー『5』の再来となる新型EVとして、2025年に発売予定のルノー『R5』のアルピーヌ版の可能性がある。ルノーR5は、コンセプトカーのルノー『5プロトタイプ』の市販バージョンとして、現在開発が進んでいる。

ティザーイメージを見ると、アルピーヌのフルEVのBセグメントホットハッチには、ルノー5プロトタイプにはない大型ルーフスポイラーが装備されているのが確認できる。かつてのルノー5には、高性能モデルの『5ターボ』(サンクターボ)が用意されていた。5ターボはルノー5をベースに、エンジンをミッドシップマウントに変更。WRC(世界ラリー選手権)のグループ4 参戦のホモロゲーションモデルとして開発されたモンスターマシンだった。アルピーヌのフルEVのBセグメントホットハッチは、名車5ターボのような位置づけとなる可能性もある。

なお、アルピーヌのEVはドリームガレージと呼ばれ、最初の1台は2024年にデビューする予定だ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. <新連載>[車内エンタメ最新事情]音楽を聴く場合、スマホはどう繋ぐ? 便利なのは? 音が良いのは?
  2. コメリが洗車グッズの新商品を発売、撥水力2倍のカーワックススプレーなど4アイテム
  3. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  4. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  5. 不適切利用47%、カメラ式駐車場管理システムで判明…熊野白浜リゾート空港
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る