JR西日本は7月14日、鉄道沿線に敷設している光ファイバー通信網を活用した情報通信サービスを開始すると発表した。
鉄道事業者は、列車の運行に必要な通信回線を沿線の用地に敷設していることが多いが、余力があれば貸出しも可能で、JR東日本では電気通信事業者などに対してケーブルの「芯線」やケーブル管路のレンタルを行なっている。
JR西日本でも7月1日にJR西日本光ネットワークを設立し、山陽新幹線や近畿圏の在来線、山陽本線などの沿線に敷設された光ファイバー網を活用する事業を開始することになったが、こちらは「国内鉄道事業者における光ファイバネットワークの開放では最大規模」としており、この秋から空き芯線のレンタルを開始する。
JR西日本光ネットワークでは、鉄道沿線ネットワークの特質を活かして、伝送損失の低さ、回線停止の少なさ、異常時の迅速な対応をアピールしており、通信拠点として設けられた大阪の堂島をはじめ、7カ所のデータセンターと接続するネットワーク網を構築。阪急阪神ホールディングスグループの阪神ケーブルエンジニアリングとも協業し、相互のネットワーク補完も行なうとしており、2022年春には高速データ通信サービスも開始する予定だという。
開放されるJR西日本の光ファイバー網。