ジープ、EVを全セグメントに設定へ…2025年までに

1941年7月15日に軍用ジープの製造契約に署名

「4xe」を中心に電動化を加速

未来のジープは自動運転のEVとしてオフロード走行

ジープの電動モデル「4xe」
ジープの電動モデル「4xe」全 17 枚

ジープ(Jeep)ブランドは7月15日、電動化の現在と未来を築いた80年間を祝う、と発表した。

1941年7月15日に軍用ジープの製造契約に署名

ウィリス・オーバーランド社がアメリカ合衆国旧陸軍省と、最初の軍用ジープの製造に関する契約を締結したのは1941年7月15日。ジープとはまだ正式には呼ばれておらず、1/4トンの汎用軍用車両サプライヤーとして認定されたのだった。量産型『MB』は1945年までに35万台を超える数が生産された。やがてMBは民生用のジープ『CJ』へと姿形を変えていく。このCJの生産は、戦争終了前から開始されていた。

ウィリス・オーバーランド社は1946年、自動車業界初となるスチール製ボディを採用したステーションワゴン、『ウィリス・ワゴン』を開発した。その3年後の1949年、ウィリス・オーバーランド社はウィリス・ワゴンに4WDを搭載した。これが、世界初のSUVが誕生した瞬間とされる。

7シーター車のウィリス・ワゴンは快適性と積載性を兼ね備えていただけでなく、高い悪路走破性も備えていた。ブルックス・スティーブンスによってデザインされたウィリス・ワゴンはその後20年に渡って生産され、近代の米国製自動車の中で、最も息の長い1台となったという。

「4xe」を中心に電動化を加速

現在のジープブランドは、新たなラインアップを登場させる一方で、新規セグメントへ向けた新製品を開発し、世界中で愛好者のコミュニティを拡張し続け、80年の間に培ってきたSUVセグメントにおけるリーダーシップを強化するために、「4xe」の名のもとに電動化技術を推進している。

ジープは今回、ジープブランドの歴史における「記念すべき12の瞬間」を発表した。ジープ自らセレクトした12の瞬間の第1に挙げられたのが、新たな電動4WDシステム、4xeの登場だ。

4xeは、ジープのプラグインハイブリッド車(PHV)の電動4WDシステムだ。ジープはすでに、『レネゲード』に『レネゲード4xe』、コンパスに『コンパス4xe』、ラングラーに『ラングラー4xe』を設定している。

ラングラー4xe の場合、PHVパワートレインは、エンジンが直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボで、最大出力270hp/5250rpm、最大トルク40.8kgm/3000rpmを発生する。このエンジンは、5800rpmまで許容する。シリンダーヘッドに直接取り付けられたツインスクロールの低慣性ターボチャージャーによって、優れたレスポンスとパフォーマンス、燃費を追求している。

従来のオルタネーターに代えて、「eトルク」と呼ばれるベルト・スタート・ジェネレーターを採用する。モーターは、8速ATと一体設計された。このモーターは、最大出力134hp、最大トルク25kgmを引き出す。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、375hpのパワーと65kgmのトルクを獲得する。動力性能は、0~96km/h加速が6.0秒だ。

未来のジープは自動運転のEVとしてオフロード走行

ジープブランドは、ゼロエミッションの未来世界をビジョンとして掲げており、2025年までにはゼロエミッションのフル電動ジープ4xeを全セグメントに設定する予定だ。ジープのゼロエミッションビジョンは、ブランド歴史の中で、重要なマイルストーンになるという。

ジープブランドのクリスチャン・ムニエCEOは、「ジープを最もグリーンでもっとエキサイティングなSUVブランドにしていく。ジープを電動化すれば、通勤のような短距離なら電気だけで移動が可能に。一方で、オンロードでの運転の楽しさや効率性はそのままに、オフロードでも静かで高い走破性を可能にする」と語る。

ジープのアニバーサリーを祝うとともに、ゼロエミッションの未来を達成するというビジョンを胸に、ジープブランドは、『Jeep Life Electrified』映像の特別バージョンを公開した。この動画は、あるカップルのストーリーを通して、ジープブランドの電動化への取り組みを描いた作品。映像の中ではジープのさまざまな製品が、将来の技術とジープのグローバルコミュニティと交差し、明るい未来へと続いていくことを表現しているという。

映像には、ラングラーをベースにしたEVコンセプトカーの『マグニートー』を起用した。モーターは最大出力285hpを発生する。力強い加速が必要な場合、モーターは最大トルク37.7kgmを引き出し、0~96km/h加速は、6.8秒で駆け抜ける。このマグニートーが、自動運転のEVとして、オフロードを走行する未来も紹介されている。

《森脇稔》

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