車載用CFRP世界市場、2030年には87%増の2169億に拡大---矢野経済予測

車載用CFRP世界市場規模推移・予測
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矢野経済研究所は、車載用CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の世界市場を調査し、成形法別、エリア別、採用部位別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

2020年における車載用CFRPの世界市場規模は、前年比6.1%減の1160億4900万円と推計する。車載用CFRPはこれまで順調にその規模を拡大させてきたが、2020年はコロナ禍の影響を受けて、世界の自動車生産台数が減少しており、マイナス成長に転じた。

エリア別動向をみると、2020年の構成比率(重量ベース)は欧州57.7%、北米21.4%、日本11.4%、その他9.5%になると推計する。車載用CFRPの最大の需要地である欧州には、BMWをはじめ、ランボルギーニやフェラーリなど、CFRPを積極的に採用している自動車メーカー(OEM)が数多く存在する。一方、米国ビック3は軽量化素材としてアルミニウムの採用が中心となるが、GMCなどCFRP部品の搭載車種が着実に増加。日本では、『プリウスPHV』『レクサスLC』へのCFRPの適用が注目を集めた。

ここ数年、自動車メーカーはCASE対応のための技術開発に注力する傾向にある。一方、市場の競争軸がCASEから軽量化に移行することを見据え、CFRPの成形法をはじめ、構造設計や材料開発、接合技術の開発などに継続して取り組んでいる。

電動化加速のためには車両の軽量化が必須となり、軽量化のために様々な素材を車体の適材適所で使いこなしていく中で、車載用CFRPの適用車種・部位は継続的に拡大していくものと期待される。今後はRTM(Resin Transfer Molding)成形品が需要を牽引、SMC(Sheet Molding Compound)をはじめとするプレス成形品の採用も拡大する見通しだ。よって、車載用CFRP世界市場は2020年から2030年までの年平均成長率(CAGR)が6.46%で成長し、2030年の同市場規模は2020年比87.0%増の2169億9200万円に達するものと予測する。

《纐纈敏也@DAYS》

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